
このページのまとめ
- 海外ではエンジニアの需要が増加傾向
- 日本よりもエンジニアの待遇が良い国もある
- 海外就職する方法は、海外出向や現地採用など
- 海外就職するには実務経験や語学力が必要
- 就労ビザが必要な点など注意点もある
近年の急速なIT化により、需要が増しているエンジニア職。なかには日本よりエンジニアの待遇が良い国もあり、「海外の方が給料が良い」という評判もあります。海外で働きたいエンジニアの方も多いでしょう。このコラムではエンジニアが海外転職する方法を紹介しています。また、海外転職のメリット・デメリット、注意点も併せて解説。コラムを読んで、キャリアを考える参考にしてみてください。
海外エンジニアの実情

同じエンジニアでも、日本と海外とでは働き方や待遇に大きな違いがあります。
まずは海外で働くエンジニアの実情について確認しておきましょう。
海外のエンジニアの需要
基本的に、海外のエンジニアの需要は増加傾向にあります。
特に、フィリピン、ベトナム、シンガポール、インドなどの東南アジア・南アジア地域では、急速なIT化によるエンジニアの需要増加が顕著です。コストを掛けてでも優秀な人材を確保しようとしているため、外国人エンジニアの雇用も積極的に進めています。
また、アメリカでは大手IT企業の成長が続いており、エンジニアの需要が高まっています。
エンジニアは、スキルさえあれば幅広い国や地域で活躍できる職種だといえそうです。
海外のエンジニアの年収
アメリカやイスラエル、欧州諸国などのいわゆるIT先進国は、日本よりもエンジニアの給料が高い傾向にあります。たとえば、アメリカのエンジニアは日本の2倍近い給与水準です。
また、中国やベトナム、タイなどの地域では、日本よりもエンジニアの給与水準が下がるものの、国内での相対的な給与水準が高め。比較的高収入な仕事とされています。
海外のエンジニアの地位
日本のエンジニアは、文系理系問わず目指せる職業です。専攻に関わらず就職できるため、地位は他業種とあまり違いはありません。
一方、海外はエンジニアの地位が高めです。給与水準が高いのも、エンジニアの地位が高いことが理由に挙げられます。
エンジニアの地位が高いのは、専門性の高さや就職の難しさが理由の一つ。例えばアメリカでは、エンジニアになるのにコンピューターサイエンス学科の修了がほぼ必須といえます。即戦力採用が主流のアメリカでは、実務経験の代わりに、学力が必要とされるためです。
海外のエンジニアの労働環境
近年は改善されつつあるものの、日本のIT業界は残業が多めです。納期を優先して働かなければならないうえ、トラブルが発生すれば休日出勤をすることもあります。
一方、海外のエンジニアは残業や休日出勤が日本よりも少なめ。品質を優先しているため、残業して仕事を仕上げるよりも、きちんとメリハリをつけて働く方が良いとされています。そのため、一般に海外のエンジニアのほうが労働環境が良いとする意見もあります。
ただし、海外のエンジニアは成果や実力を重んじる傾向にあるため、結果が出せないと解雇されるリスクもあります。年功序列で評価する日本とは大きく異なる点といえるでしょう。
また、担当範囲に対する意識も強く、範囲外のことはやらずに、成果を出せば昇給交渉も積極的に行います。
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エンジニアが海外転職するメリット・デメリット

海外でエンジニアとして働くなら、以下のようなメリット・デメリットがあることは押さえておくと良いでしょう。
エンジニアが海外転職するメリット
エンジニアとして海外で働くと、以下のようなメリットがあります。
プログラミング言語を海外でも活かせる
C言語やJava、Pythonなどのプログラミング言語は世界共通です。そのため、日本で学んだ知識を海外でも活かせる点は、エンジニアという職種の強みといえるでしょう。
グローバル人材になれる
エンジニアは専門性の高い職種です。外国人に囲まれた環境でタスクを進めていくのは容易なことではありません。高度なコミュニケーションスキルが必要とされるでしょう。就労直後は苦労する場面も多いはずですが、その分グローバル人材に求められるスキルが身につきます。
高収入を手にするチャンスがある
エンジニアの給与水準が日本よりも高い国はたくさんあります。そのため、海外就職によって収入アップすることも可能です。ただ、現地の物価や生活費は把握しておかなくてはなりません。収入が増えたとしても、支出も増えてしまうことで、生活水準が下がってしまう可能性もあります。反対に、収入が減ったとしても、現地の物価が安ければ、生活水準を高めることができるでしょう。
エンジニアとしてのスキルが磨ける
日本人がエンジニアとして海外就職できる職場、つまり世界からエンジニアの受け入れを行っている海外企業には、必然的に優秀な人材が集まりやすいといえます。エンジニアとしてスキルを高められる点も海外就職のメリットの一つです。
エンジニアが海外転職するデメリット
エンジニアとして海外で働くと、以下のようなデメリットもあります。
競争が激しく、解雇のリスクが高い
長期雇用や年功序列が一般的な日本の企業に比べ、海外企業は成果・実力主義が主流。解雇されるリスクは日本よりも高めです。就労ビザの更新手続きもあるため、現地できちんと成績を残す必要があります。
海外勤務の経験が評価されないこともある
基本的に、海外勤務の経験は日本企業でも評価されるキャリアです。ただ、「すぐ転職してしまうのではないか」などと思われて敬遠されてしまう可能性もあります。海外勤務の経験を評価してもらえる職場や、海外勤務で得たスキルを活かせる職場を選ぶのが良いでしょう。
言葉や文化の違いを実感する
プログラミング言語の知識を活かせるとはいえ、働くには現地スタッフと会話できる必要があります。スキルアップを目指すなら現地語のスキルが必要です。
また、海外には意見をはっきり主張する人が多く、なかには与えられた業務とは異なる主張をするスタッフもいます。そんなときも臨機応変に対応できる柔軟性が必要です。
治安や衛生、医療の面に不安がある
日本は、世界的に見ても治安が良く、衛生面も整備された国です。そのため、海外生活において、日本の常識が通じないこともしばしばあります。渡航先の生活環境についてよく調べておくのが良いでしょう。
また、日本のように国民皆保険制度を取り入れている国は多くはありません。なかには風邪の診療だけで数万円かかるような国もあります。さらに、救急救命に掛かるようなことがあれば、数十万~数百万円の請求が来ることも。自分で保険に入るなど、準備しておくと良いでしょう。
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エンジニアが海外転職する3つの方法

エンジニアが海外就職する代表的な方法は以下の3つです。キャリアや目的に応じ、自分に合った方法を選ぶのが良いでしょう。
日本の企業で経験を積み、海外支社に出向する
海外支社がある日本の企業で働き、経験を積んでから海外に出向する方法です。
業務実績や経験、語学力などが精査され、辞令が出されます。会社都合の転勤なので、渡航先の国や渡航期間が選べない点はデメリットといえますが、海外勤務手当が支給されるなど待遇面のメリットもあります。
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日系企業の海外支社に現地採用される
日系企業がもつ海外支社に直接エントリーして就職する方法です。
働きたい国や会社、職種を選べる自由度の高さが特徴で、希望に合った働き方を選択できます。ただし、給与や待遇は渡航先の国の水準になるため、日本人エンジニアよりも給料が下がってしまう可能性もあります。また、現地採用で経験を積むと、本社採用に切り替わることもあります。
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海外の企業に現地採用される
海外のローカル企業に直接採用される方法です。基本的に日本人スタッフはいないため、現地語でのコミュニケーションが求められます。また、外資系企業特有の常識に対応する必要もあります。成果・実力主義なので、解雇されるリスクも高め。語学力や専門性が求められるため、比較的ハードルが高めの方法です。
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エンジニアが海外転職するのに必要なスキル

エンジニアが海外で働くのに必要なスキルについて解説します。
語学スキル(英語力)
海外で働くなら、基本的に現地語のスキルが必要とされます。また、IT業界は英語を使用するため、英語圏以外でも英語力があると良いでしょう。必要なレベルは、日系企業なら日常会話レベル、外資系企業ならビジネスレベルが目安です。応募前に募集要項や求人情報で、必要な語学力についてチェックしておきましょう。
実務経験
海外でエンジニアとして働くなら、スキルや実務経験が必要です。選考の難易度は企業によって異なり、GAFAのような大企業では秀でた実績が求められます。
即戦力採用が主流の海外企業では、資格や学歴よりも実務経験が重視されます。実務経験や成果をうまくアピールできるようにしておくと良いでしょう。
コミュニケーションスキル
クライアントへの交渉や提案をするにはコミュニケーションスキルが求められます。特に、海外企業では、意見を積極的に発信し議論する風潮があるので、そうした文化の違いにも対応してコミュニケーションが取れるスキルが必要です。
付加価値を生み出せる希少性のあるスキル
エンジニアとしてのスキルや実務経験以外にも、希少性のあるスキルがあれば、評価される可能性があります。たとえば、日本人向けサービスの開発で、日本人としての観点を活かした提案をするなどです。
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エンジニアが海外で働く際の注意点

エンジニアが海外で働く際は、以下のような注意点があります。
就労ビザ取得のハードルが高い場合がある
海外で働くなら、基本的に就労ビザが必須です。就労ビザは、各国が審査を行って発行しますが、中には就労ビザを取得しづらい国もあります。特に、欧米諸国の就労ビザは、取得が難しいとされており、たとえば、アメリカの最もメジャーな就労ビザであるH-1B(特殊技能職)ビザは、大卒学歴または実務経験、職務内容の専門性などが必要です。
エンジニア職は専門性が高いため、就労ビザが取得しやすい職種ではあります。ただ、ヨーロッパなどでは発行枠が埋まっていることもあり、申請を受け付けていない場合もあります。
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給与や待遇が海外基準になる場合がある
現地採用で働く場合、現地の福利厚生や給与で働くことになります。そのため、渡航先の国によっては日本で働くより収入が減ってしまう可能性もあるでしょう。ただ、収入が減ったとしても、物価が安い国なら生活水準が高くなる場合もあります。
給料の支払い方法を知っておく
給料が何の通貨単位で支払われるかを事前に調べておくと良いでしょう。特に年収アップを目指して海外転職する方は要チェック。日本円に換算した年収は、そのときの為替レートによって左右される点を覚えておきましょう。
文化や価値観を受け入れる
海外には、日本とは異なる文化や価値観があります。海外で仕事をするなら、現地の文化や価値観を受け入れなければなりません。
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エンジニアが海外で働くまでの流れ

エンジニアが海外転職する際の4ステップを紹介します。
1.求人を探す
求人を探す際は、海外で働く目的や働きたい国、希望する条件を踏まえて調べるのが大切です。
必要とされるスキルや語学力は、募集要項に書かれていることが多いので、よく確認しておきましょう。
2.必要書類の用意
必要書類は国や企業によって異なりますが、海外では、英文レジュメ(英文履歴書)や職務経歴書、ポートフォリオを求められる場合が多いです。英文レジュメは、英語で書いた履歴書と職務経歴書が合わさった書類。日系企業に応募する際は、日本語の職務経歴書と一緒に提出します。
3.面接を受ける
書類選考を通過すれば次は面接です。面接は基本的に現地で行われるので、面接を受けに渡航する必要があります。海外企業の面接は、およそ2回程度が目安。渡航の準備やスケジュール管理をしっかり行い、面接に備えましょう。また、近年はオンライン面接を行う企業も増えつつあります。面接方法を確認しておくのが良いでしょう。
4.内定をもらう
内定の連絡は、たいてい電話やメールで来ます。内定を承諾し、入社が決まったら、就労ビザの申請を行いましょう。基本的に就労ビザは就職先が決まらないと発行されません。
転職エージェントを利用する
海外就職をするなら、転職エージェントを利用するのがオススメ。転職エージェントは、求人の紹介や書類作成、条件交渉など、海外就職における幅広いサポートを受けられます。海外就職の経験が少ない人や、海外就職が不安な人は、転職エージェントを利用すると良いでしょう。
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日本の転職サイトを使って、メキシコで仕事を見つけよう!
海外でエンジニアとして働きたい方は、メキシコを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。メキシコは、経済大国アメリカと陸続きという地理的な魅力のある国。自動車メーカーをはじめ、日本企業の進出も盛んに行われています。就労ビザも取得しやすいため、就職のハードルが低めです。
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