このページのまとめ

  • 公認会計士は主に監査をする仕事
  • 監査のほかに、コンサルティングや経理、財務をすることも
  • 公認会計士として海外で働く方法は、海外駐在と現地採用の主に2パターン
  • 国際的な会計士資格は、米国公認会計士(USCPA)がメジャー
  • 海外で働くにはたいていネイティブレベルの語学スキルが必要
  • 年収は、駐在の場合は日本基準、現地採用の場合は現地基準

海外で働きたいと考えている方のなかには、「公認会計士」という仕事を選択肢に入れている方もいるのではないでしょうか。公認会計士は、企業の財務報告が正しいかチェックする仕事です。公認会計士として海外で働くには、海外駐在と現地採用の主に2通りの選択肢があります。
このコラムで、公認会計士として海外で働くにはどの方法が自分に適しているかチェックしてみてください。

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公認会計士とは

日本における公認会計士は、主に会計監査を行う仕事です。

企業は毎年、支出や売上、資産などを計算して、財務状況を報告しています。
会計監査とは、財務報告の内容が正しいかどうか、独立した立場の第三者が判断することをいいます。

財務報告は投資者や債権者が見るので、企業からすればなるべく数字を良く見せたいものです。
しかし、財務報告に虚偽の内容があったり、内容に誤りがあったりすると、投資者や債権者が被害を被ってしまうばかりか、資本市場の信頼すらも低下しかねません。

そのため、財務報告が正しいことを第三者がチェックし、正しいと証明する必要があるのです。
このような財務書類の監査および証明は、専門性や信頼性を維持するために、公認会計士の独占業務とされています。また、上場企業は会計監査が義務化されています。

公認会計士の資格

日本の公認会計士になるには、「公認会計士試験」に合格する必要があります。
受験資格は定められていないため誰でも受験できますが、医師国家試験や司法試験と並んで三大難関国家試験と言われるほど難易度の高い試験です。

公認会計士の職場と仕事内容

公認会計士は、監査・証明業務のほかに、経理、財務、コンサルティング、金融などの業務ができます。以下に紹介するのは日本における公認会計士の職場の一例です。

監査法人
監査法人は、主に公認会計士で構成される、監査を目的とした組織です。日本には大小さまざまな監査法人があり、特に大きな4組織は「四大監査法人 」(有限責任監査法人トーマツ、EY新日本有限責任監査法人、PwCあらた有限責任監査法人、有限責任あずさ監査法人)と呼ばれています。
公認会計士の資格を取ったら、監査法人で働くのが一般的です。監査法人でのキャリア形成は、スタッフから始まり、シニアスタッフ、マネージャー、パートナーと上がっていきます。
パートナーは一般企業における役員と同様に、経営やマネジメントを担当します。監査報告書に署名捺印し、責任を負うのもパートナーです。

一般企業
複雑化する会計業務を適切に行うため、公認会計士を配置する企業もあります。配属は主に経理部門や財務部門。監査法人でキャリアを積んだ人をマネージャークラスとして採用することが多い傾向にあります。

税理士法人
税理士法人は、税理士が働く、税務を目的とした組織です。税務は税理士の独占業務ですが、公認会計士は登録申請すれば税理士になれるので働けます。税理士法人で働く場合、税理士として税務を担当します。

銀行、証券会社
金融機関の主計部門などで、財務会計の専門性を活かすことができます。

コンサルティング会社
コンサルティングとは、企業の抱える経営課題について助言や解決策を提案する仕事です。公認会計士の財務会計の知識や、監査業務で得た経験を活かして働くこともできます。

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公認会計士として海外で働く4つの方法

職種に関わらず、海外で働く方法は主に以下の2パターンがあります。

海外駐在:日本の企業から駐在員として海外に出向する働き方
現地採用:海外の企業に直接採用される方法

また、公認会計士には、監査法人で働くか、企業で働くかという選択肢もあります。それもふまえると、公認会計士が海外で働く方法は主に以下の4つが挙げられます。

【海外駐在】国内の監査法人から出向する

海外には、いわゆる「BIG4」と呼ばれる4大会計事務所があり(DTT、EY、PwC、KPMG)、日本の四大監査法人は、それぞれがBIG4の事務所と提携しています。
こうしたBIG4系の企業は、グローバル人材育成のための海外赴任・海外研修プログラムを実施しています。渡航先は欧米、アジア、アフリカなどさまざまで、滞在期間もプログラムによって数週間の語学学習から数年の駐在まで多様。なかには若手が参加できるものもあります。海外出向には社内選抜があるので、それを勝ち抜くことで海外で働けます。

また、BIG4と提携していなくても、海外事務所と交流のある監査法人では海外赴任できる可能性もあります。ただ、決まった人数を毎年派遣する監査法人は多くはありません。

出向先での業務は、監査や税務、アドバイザリー業務などが主です。また、日系企業の海外進出をサポートする案件もあります。

【海外駐在】国内企業から出向する

海外展開する日系企業に入り、海外の子会社に出向する選択肢もあります。現地に子会社を新設する際は経理部門・財務部門の責任者が必要なのです。
国内本社の経理部門などで数年キャリアを積んだのち、最高財務責任者(CFO)として派遣されるパターンが多く、経理や財務だけでなく現地スタッフのマネジメントを行うこともあります。

【現地採用】現地の監査法人に入職する

海外の監査法人に応募し、直接現地法人に入社することもできます。求人は、日系企業が多いアジア圏やアメリカで多めです。アメリカでは主に財務や税務を担当しますが、アジア圏では日系企業の営業や現地法人のマネジメントを行うこともあります。

会計基準は、各国が経済状況や歴史に合わせて独自の基準を設けたために、さまざまな種類があります。日本で認められているものだけでも、日本会計基準、US-GAAP(米国会計基準)、IFRS(国際財務報告基準)、J-IFRS(日本版IFRS)の4種類があります。

そのため、海外勤務で日本の会計基準や事例から離れてしまうと、日本の監査法人への転職が難しくなる可能性があります。海外で長く働けるのが現地採用のメリットでもありますが、将来的に国内に戻ることを考えているなら、日本の会計業界にアンテナを高く張っておく必要があるでしょう。

【現地採用】現地企業に入職する

現地企業の中途採用に応募する方法には、行きたい国や地域を選べることや、職場の選択肢が広いなどのメリットがあります。
いっぽう、就労ビザの取得が難しい点や、給料が現地基準になってしまうなどのデメリットになり得る要素もあります。また、海外駐在なら帰国後もキャリアを継続できますが、現地採用の場合、帰国するとキャリアが積み直しになることもあるでしょう。

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海外で働ける会計士資格「USCPA」とは

USCPAとは、「米国公認会計士」のことで、米国各州が認定する公認会計士資格です。米国の資格ですが、世界的に認知度が高く、取得すれば国際的なビジネスシーンでも活躍が見込めます。まさに国際的に通用する会計資格といえるでしょう。

なお、日本の公認会計士資格は「JCPA」と呼ばれます。

MRA(国際相互承認協定)により、いくつかの国でライセンスの互換性がある

一般的に、公認会計士は認定を受けた国でのみ活動するものですが、AICPA(米国公認会計士協会)は、他国の公認会計士協会と「MRA(国際相互承認協定)」を結んでいるため、USCPAは、いくつかの国でライセンスの互換性があります。

【国際相互承認協定を結んだ専門機関がある国】

  • U.S.A
  • カナダ
  • メキシコ
  • 南アフリカ
  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • 香港
  • アイルランド
  • スコットランド

USCPAの資格があれば、短い追加研修を受けるなどして、現地の会計士と同じ業務ができます。複数の国で通用する点は、USCPAの大きな特徴といえるでしょう。

参照元
NASBA「Mutual Recognition Agreements」(2022年1月参照)

USCPA試験は日本でも受けられる

USCPAの資格試験は、米国のみならずアジア圏やヨーロッパ圏でも受験可能です。2011年からは日本でも受験が可能になりました。

USCPA試験の難易度

日本の公認会計士試験は、三大難関国家試験と言われるほど難易度が高い試験です。
試験は年1回で、1万人以上が受験しますが、合格率は例年10%前後。試験勉強に要する時間は、3000時間以上が目安と言われています。

その点、USCPAは難易度が低めと言われています。コンピューターで受けられるので、試験日は自由に決められますし、全4科目を1科目ずつ受験可能です。勉強時間は1000時間が目安とされています。合格率も日本の試験よりは高めです。

ただ、USCPAはすべて英語なので、英語のスキルが必要となります。英文はシンプルで分かりやすくなっていますが、英語で会計の問題を解くこと自体にハードルを感じることもあるでしょう。

参照元
公認会計士・監査審査会「過去の試験結果等

USCPAは日本でも働ける

日本では、財務書類の監査および内容の証明が公認会計士の独占業務になっており、USCPAには独占業務がありません。ただし、USCPAでも国内の監査法人で働けますし、転職もできます。

法の効力が発揮されるのは、監査報告書にサインをするパートナークラスの一部の公認会計士のみで、監査自体はUSCPAでも可能です。むしろ英語力を活かしてグローバル企業の監査をするなど、強みを生かした働き方ができる可能性もあります。

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公認会計士として海外で働くのに必要な語学力

日本から海外に出向する場合、語学スキル、特にビジネスレベルの英語力が必要です。目安は、TOEICで800~900点程度。語学スキルがあることを証明するためにも、語学検定を受けて高得点を記録する必要があります。ただ、業務内容や渡航先によっては、英語力があまり重視されなかったり、むしろ現地語のスキルが求められたりする場合もあります。

現地採用の場合も同様で、TOEICでいえば800点以上の語学力が目安となりますが、スコアでの評価より面接などで語学力を判断されるパターンが多く見られます。
また、日系企業であれば、語学力不問だったり、日常会話レベルの語学力でも応募できたりします。いっぽう、日系企業以外の企業だと、現地語と英語の両方のスキルが求められる場合もあります。

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公認会計士として海外で働く際の年収

出向で海外に行く場合、所属は日本の監査法人や企業のままなので、給与や福利厚生は基本的に国内で働くのと同水準になります。年収は800万円程度が目安で、マネージャークラスであれば年収1200~1300万円程度になることもあるでしょう。現地の物価や生活費によっては、高い生活水準で滞在することも可能です。さらに、出向の場合、住宅費や渡航費、医療費などが手当として支給されることもあります。

現地採用の場合、給与水準は現地のものとなります。そのため、「現地の人より高給でも、日本の水準からすれば収入が下がってしまう」ということも多いといえます。地域によっても差が大きく、たとえば、アジア圏なら年収400~500万円ほどが目安です。なお、給与水準が下がってしまっても、物価が安ければ生活水準はあまり変化しません。

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