このページのまとめ
- 就職に有利なスペイン語の資格にはスペイン語技能検定やDELEがある
- 就職でスペイン語をアピールするには学ぶ過程で得た経験を話すと良い
- スペイン語を活かせる就職先は航空業界や商社などがある
- スペイン語を活かして働くならメキシコがおすすめ
スペイン語を活かした職に就きたいと思いながらも「スペイン語能力をどのようにアピールしたら良いか分からない」や「どういった職業で活かせるか分からない」と思っている人もいるでしょう。このコラムではスペイン語の資格やアピール方法、スペイン語を活かせる仕事について解説していきます。日本人がスペイン語を活かして働ける国についても紹介しているので、ぜひご一読ください。
スペイン語について
まずはスペイン語の特徴を学んでみましょう。日本ではあまり馴染みのない言語ですが、海外では多くの人が使用しています。
母語人口が世界3位
母語とは人間が幼少期から自然に習得する言語のことで、多くの日本人にとっては日本語が母語になります。その人にとって最も親しみやすく、文化になじみ、使用しやすい言語が母語になるのです。
文部科学省の統計によると、スペイン語の母語人口は世界第3位の3億3200万人。中国語、英語についで、多くの人がスペイン語を話しています。
参照元:文部科学省 –(1)世界の母語人口(上位20言語)
スペイン語を公用語とする国や地域
スペイン本国のほかに、スペイン語を公用語としている国は数多く存在しています。特にメキシコやアルゼンチン、チリなどの中南米はスペイン本国よりもスペイン語を話す人口が多い地域です。またアフリカの中西部にある赤道ギニア共和国は、アフリカ大陸で唯一スペイン語を公用語としています。
なおアメリカ合衆国で、英語の次に多く使われているのがスペイン語です。メキシコと国境を接するカリフォルニア州・アリゾナ州・テキサス州・ニューメキシコ州、キューバと150kmほどの距離にあるフロリダ州がスペイン語を話す人が多い地域として挙げられます。
日本人も発音しやすい言語
スペイン語の母音は「a」「e」「i」「o」「u」の5つで、日本語と似た発音になっています。読み方もローマ字に近いため、日本人にも発音しやすく読みやすい言語だといえるでしょう。
また「カルタ」「ポンチョ」「エルニーニョ」など、普段使っている言葉の中にも、スペイン語が語源になっているものがたくさんあります。
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スペイン語の資格
語学力をアピールするのであれば、資格を取得するのが有効です。英語には英検やTOEIC、TOEFLなどの資格があるように、スペイン語にもさまざまな資格があります。それぞれの特徴を把握して、資格への理解を深めましょう。
スペイン語技能検定
公益財団法人日本スペイン協会が実施する検定で、西検(せいけん)と呼ばれています。
官公庁や民間企業などが、採用試験や能力査定で語学力を評価するために1973年にスタートしました。
試験内容とレベル
6級(入門)、5級(初級)、4級(中級)、3級(上級)、2級(最上級)、1級(プロ級)の6段階。
6級は筆記試験のみ、5級・4級は筆記試験と5分程度の聞き取り、3級~1級は一次試験の筆記に加えて二次試験として面接が実施されます。
4級は簡単な日常会話ができるレベルで、1級は出版物の翻訳や会議通訳、専門的なガイドが可能なレベルです。
取得するメリット
- 文部科学省認定の検定のため、国内でスペイン語を活用する際の語学力の証明になる
- 1級に合格すると、全国通訳案内士試験の外国語筆記試験(スペイン語)が免除になる
DELE
スペイン政府設立のセルバンテス文化センターが主催する、世界的に通用するスペイン語検定です。スペイン語圏の外国人向け求人では、DELEのレベルを応募条件としているケースも多く見られます。
試験内容とレベル
A1(入門)、A2(初級)、B1(中級)、B2(中上級)、C1(上級)C2(最上級)の6段階。
読解、聞き取り、文章表現、口頭試験の4つの科目があり、試験はすべてスペイン語で行われます。
B1は日常的なさまざまな状況に対応することができるレベルで、C2はビジネスや複雑な学術的分野などにおいても、ニュアンスによって使い分けることが出来るレベルです。
取得するメリット
- スペイン語の語学力の証明として世界中で通用する
- 有効期限がないため一生使える
SIELE
SIELEとは「Servicio Internacional de Evaluación de la Lengua Española(スペイン語認定国際サービス)」の略で、2016年に誕生した新しい国際スペイン語検定です。日本でも翌年の2017年にスタートしました。申し込みから試験、結果報告までデジタル形式で行われるのが特徴です。
試験内容とレベル
読解、聴解、文章表現、口頭表現の4パートで構成されており、全パートをまとめて受験することも、パートごとに受験することも可能。英語のTOEICのように受験者は全員同じテストを受け、その点数に応じてレベルが判定されます。レベルはA1(入門)、A2(初級)、B1(中級)、B2(中上級)、C1(上級)の5段階。
取得するメリット
- 国際的に認められた資格試験のため、世界中で実力を証明できる
- 得点によってレベル分けされるため、不合格がなく、必ず評価を受け取ることができる
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就職でスペイン語をアピールするには?
スペイン語は、選考でどのようにアピールすれば効果的なのでしょうか。
スペイン語を選んだ動機を話す
スペイン語の能力自体をアピールするのも大切ですが、「なぜスペイン語を学ぼうと思ったのか」という理由の部分を伝えることが大切です。
たとえば「○○の分野に関わりたいと考えているが、それにはスペイン語が必要」と伝えることで、将来のビジョンを明確に持っていることが分かります。また「在日外国人をサポートする活動をしているため、多言語に対応したい」という理由であれば、物事への積極性や意欲の高さを感じさせることができるでしょう。
スペイン語を学ぶ過程で得た経験を話す
スペイン語を学ぶ過程で得た経験を伝えることもアピールになります。
たとえば「3ヶ月勉強して独学で日常会話を身につけた」と答えることで、自助努力する力をアピールできるでしょう。また「アルバイト先のペルー人とスペイン語で会話し、そのペルー人の友人とも知り合いになった」と答えることで、コミュニケーション能力の高さを伝えることができます。
なお「どのような苦労があったのか」「苦難をどのように乗り越えたのか」を掘り下げて伝えることで、物事への取り組み方や対処法もアピールすることができるでしょう。
他のスキルと合わせてアピールする
スペイン語は珍しいスキルであるため独自性を発揮できますが、業界や職種によってはスペイン語だけではアピール力に欠ける場合もあります。そのため「スペイン語+英語」のように他の言語と合わせて、語学力に長けた人物だとアピールすると良いでしょう。また「スペイン語+IT」のように語学以外の要素を入れてアピールすることで、他にはない強みにすることができます。
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スペイン語を活かせる仕事
スペイン語を活かせる仕事にはスペイン語を実際に使う機会が多い通訳や観光業など、さまざまな業種や職種があります。
通訳、翻訳
スペイン語と日本語の通訳は、国内外で需要がある仕事です。
国内では近年スペイン語を母語とする在日ペルー人が増加しているため、通訳のニーズも高まっています。
またスペイン語圏では、日本人駐在員とスペイン語を話す職員との通訳を担当する人材が求められているようです。特にメキシコでは日系企業が急増しているため、日本人向けの求人が豊富になっています。
航空業界・観光業
ビジネスの世界では英語が公用語とされています。しかし一般のお客様を相手にする場合、英語が必ず伝わるとは限りません。英語が話せるスタッフだけでは対応できないことも多いため、英語以外の言語を話せると重宝されるでしょう。すでに述べたとおり、スペイン語の母語人口は世界3位です。スペイン語を話す人は多いため、世界中の人が利用する航空業界や観光業でスペイン語を話せることは大きなアピールになるでしょう。
商社
商社は世界中の国と関わって仕事をすることが多いため、語学力がある人は重宝されます。特にスペイン語圏の企業と取引がある商社では、スペイン語のニーズが高いです。なお新興国が多い中南米では製造業が盛んなため営業職や技術職、管理職など、さまざまな職種で活躍の場が期待できるでしょう。
語学教師
語学教師も国内外で需要がある仕事です。日本の大学や語学スクールなどでスペイン語教師として勤めるほか、スペイン語圏で日本語教師として活躍する場もあるでしょう。ただし語学力だけでなく、語学の教え方や授業の進め方など教師としての知識も必要となってきます。
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スペイン語を活かして仕事ができる国
スペイン語を活かして仕事ができる国を4つまとめました。各国でスペイン語を活かして働くにあたっての、メリットデメリットについても紹介します。
日本
日本国内でスペイン語を活かせる求人には、営業や通訳、貿易業務などさまざまな職種があります。ただしスペイン語だけでなく、英語やその他のスキルも必要とされる求人が多いようです。なお海外拠点を持っている企業の募集では、駐在員採用や海外出張頻度が高いものが含まれます。
メリット
- ビザ申請など、特別な手続きが必要ない
デメリット
- スペイン語を活かせる求人が少ない
- 日本採用の場合でも、駐在員採用であれば海外赴任をしなければならない
アメリカ
アメリカ合衆国の主要言語は英語ですが、隣国メキシコとの取引が盛んな企業が多いため、活躍の場を期待できるでしょう。またスペイン語を使用する人が多いカリフォルニア州やアメリカ南部で、日系企業が参入している地域があります。そういった地域では日本語・英語・スペイン語ができる人材を求めている企業も多いです。
メリット
- 日本人が多く、日系のコミュニティも多い
- 英語、スペイン語の双方を活かせる
- 他のスペイン語圏の国よりも平均賃金が高い
デメリット
- 英語がコミュニケーションの中心となるため、スペイン語よりも英語のスキルが重要視される
- 物価が高い
- 労働ビザの取得が難しい
スペイン
日本市場をターゲットとするスペイン企業や、スペイン市場をターゲットとする日本企業での求人がほとんどです。しかしスペインへ進出している日系企業はあまりなく、日本人向けの求人自体が少ない傾向にあります。また失業率も高いため、仕事を見つけるのは困難といえるでしょう。
メリット
- 有給休暇が多い
- 日本に比べて長時間労働が少ない
デメリット
- 失業率が高く、就職自体が難しい
- 平均給与が低い
- 労働ビザの取得が困難
メキシコ
近年多くの日系企業が進出しているため、他のスペイン語圏よりも仕事を見つけやすい環境といえます。営業職や技術職、通訳職、事務職など募集職種も豊富です。平均給与は低いですが、物価自体が安いため生活に困ることはほぼないでしょう。
メリット
- 物価が安い
- 労働ビザが取得しやすい
- 日系企業の求人が豊富で選択肢が多い
デメリット
- 日本に比べて給与が低い
- 治安が悪い地域がある
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スペイン語を活かした仕事がしたい!仕事が見つかる国や資格について解説
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スペイン語を活かした就職をする方法
スペイン語を活かした就職をするには留学やインターンシップを行うなど、いくつかの方法があります。ここでは4つの方法についてまとめました。
留学を経験する
留学をすることでネイティブな言語に触れることできます。文法的な会話だけでなく、細かなニュアンスも理解がしやすくなるなど、大幅な語学力向上に繋がるでしょう。また文化や習慣について理解を深めることができるのも大きなメリットです。日本で経験できない体験や学びは、就活でのアピールポイントになるでしょう。なお、留学後にそのまま現地就職という道もあります。
インターンシップ
海外企業は即戦力の人材を求めており、海外ではインターンシップ後に就職をするという流れが一般的です。また日本に支社を置く外資系企業ではインターンシップの参加が、本選考エントリーの条件となっているところも少なくありません。インターンシップは実際の仕事を経験できるほか、その会社の社風を知ることができるため、積極的に参加することをおすすめします。
海外支社がある企業に就職する
近年グローバル化の影響で、海外進出をする日本企業が増加傾向です。特に大手総合商社では、若いうちから海外勤務のチャンスが豊富にあるといわれています。大手総合商社以外でも、海外事業を行っていたりスペイン語圏に支社を置いている企業なら、スペイン語を活かす機会があるでしょう。
海外で現地就職をする
スペイン語圏での現地就職を視野に入れてみるとさらに可能性は広がります。特に近年は日本の高いスキルを身に付けた人材を採用したいという企業がメキシコで増加傾向にあるようです。自分の行きたい企業がある場合は、直接コンタクトを取って応募をすることも手段の1つではないでしょうか。
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スペイン語を活かして働くならメキシコがおすすめ
海外でスペイン語を活かして働くなら、メキシコで就職するのがおすすめです。
アメリカやスペインなどで日本人が求人を探すのは、専門的なスキルがないと難しいのが現実。しかしメキシコでは日本語が話せること自体が能力として評価されるので、言語以外の経験は問わないというケースもよく見られます。
日常会話レベルで応募できる求人も簡単に見つかるので、「スペイン語に自信がない」という場合もそれほど心配する必要はないでしょう。
なにより、メキシコに行けば日常的にスペイン語を使って生活するしかありません。日本で勉強するよりも上達スピードが早い上に、生のスペイン語力が身につくというメリットがあります。
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