このページのまとめ

  • メキシコと日本の歴史は長く、江戸時代の難破船救出をきっかけに400年以上交流が続いている
  • メキシコは地理的優位性が高く、自由貿易を推進していることから、輸出拠点として優れた立地
  • 多くの自動車メーカーを始めとする日系企業が進出している
  • 特にバヒオ地区は日系企業が多く、グローバル人材のニーズも高い
  • 仕事探しはスピーディーに行い、語学力のレベルだけで決めないことが大切

メキシコにおける主要産業の1つが自動車産業。近年では、日本の大手自動車メーカーやサプライヤーが続々と進出している国です。
そこで今回は、メキシコと日本の歴史も交えながら、日本の自動車企業がメキシコに拠点を構える理由について、詳しくご紹介します。海外勤務の候補地として挙げている方は、ぜひご覧ください。

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メキシコと日本の歴史

メキシコは親日国としても知られていますが、そのような関係に至るまでの歴史はどのようなものだったのでしょうか。基本的な情報をおさらいしてみましょう。

1609年:フィリピン総督代理ドン・ドリドコの救出
1888年:日墨修好通商条約締結
1939~1945年:第二次世界大戦により国交が途切れる
1952年:対日平和条約により国交回復
1966年~:自動車産業を中心に日本企業がメキシコへと進出
2005年:日本とメキシコによるEPA(経済連携協定)の締結
2009年:日本メキシコ交流400年

メキシコと日本の歴史は、今から約400年以上前の江戸時代にスタートしました。フィリピン総督代理ドン・ドリドコが乗船した船が台風によって、房総の御宿海岸に座礁難破。地元の漁民たちが助け、徳川家康が用意した帆船でメキシコへ帰ることができたのをきっかけに、メキシコと日本の交流が始まります。

1888年には、日本にとってアジアを除いて初めての平等条約となった日墨修好通商条約を締結。メキシコにとってもアジアの国で初となる条約締結でした。
それを皮切りに、メキシコ領事館が設置されたり、日本の移民団がメキシコに移住したりと、交流は活発化。
1939~1945年の第二次世界大戦で一旦国交は途切れますが、1952年に締結した対日平和条約により回復しています。

近代に入り、2005年にはEPA(経済連携協定)を締結。両国の貿易量は大幅に拡大し、世界の中でも存在感を示す状況になりました。現在では、日本から進出する企業数も増加し、メキシコではアニメや食など日本の文化が広く親しまれています。

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日本の自動車企業がメキシコに進出する理由

前の項目で、メキシコと日本の良好な関係がビジネスの基礎にあることが明らかになりました。
その流れで1960年代には進出する日本企業が増加。1966年には初めて日本の自動車企業がメキシコに進出し、2000年以降は多くの自動車メーカーやサプライヤーが後に続いています。

なぜ日本企業の進出が活発化したかというと、下記に挙げたメキシコならではの魅力が、ビジネスチャンスとして判断されたようです。

  • 市場規模の大きいアメリカに近い
  • 世界46カ国とFTA(自由貿易協定)を締結している
  • 人件費が比較的安い

ビジネスの視点で見た時に、メキシコ最大の魅力として挙げられるのは地理的優位性。巨大な市場を持つアメリカに近く、陸路で繋がる点は自動車産業にとって大きなメリットです。
加えて、メキシコは世界46カ国とFTAを結び、自由貿易を推進している国でもあります。メキシコを海外拠点とすることで輸出先の多角化を図れる点は、他国にはなかなかない魅力と言えるでしょう。

そして、人件費が安く、賃金の上昇率も緩やか。働き手となる若年層が多く、人的資源が豊富な点も企業側にはメリットとして映ります。

また、経済発展が著しいことに加えて、車社会である点も自動車産業には追い風。メキシコの消費市場にはまだまだ伸び代があるため、自動車メーカーが進出先に挙げるのも頷けるのではないでしょうか。

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日本の自動車メーカーが多い地域

年々、メキシコに進出する企業数は増えていて、外務省の調査によると2017年で1182拠点。2008年は366拠点ですので、約10年間で3倍にまで増加している状況です。
自動車産業も例外ではなく、大手自動車メーカーが2019年に新たに工場を建設予定など、まだメキシコに進出する動きが止まる気配はありません。今後も業種を問わず、世界的な拠点として大きな役割を果たしていくのではないでしょうか。

そんな状況下で、メキシコにおけるグローバル人材の採用ニーズも強まっています。
特にメキシコ中央に位置する「バヒオ地区」は自動車メーカーを始めとする日系企業が多く集まる地域です。

バヒオ地区は、メキシコ中央高原地帯のことで、サンルイスポトシ州、ハリスコ州、アグアスカリエンテス州、グアナフアト州、ケレタロ州の5つにまたがるエリア。
メキシコの資源国から工業国への発展を表したような地域で、自動車のほか、ロジスティクス、医療機器など、幅広い業種の企業が軒を連ねています。

特にグアナフアト州は日系企業が多く、求人が多いエリア。州内の最大の都市はレオンで、治安の良さも手伝って居住者に人気の地域となっています。
サン・ルイス・ポトシ州、ケレタロ州、ミチョアカン州、ハリスコ州に接しているため、グアナフアト州内だけでなく、近隣地域の進出企業とのビジネスチャンスがあるのも特徴的。事業拡大を視野に入れた進出企業が数多くあるようです。

参照元:外務省「平成30年海外在留邦人数調査統計(P.49)」https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000368753.pdf

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メキシコで働くなら…

メキシコで就職する方法としては「メキシコ進出済の企業に就職して異動する」「自分で現地採用の仕事を探す」という2つ。前者で希望が通れば良いのですが、状況によってはなかなかうまくいかないこともあるようです。
職種によっては、後者の方が就職や転職できる可能性があることも。
ただし、次の点に注意する必要があります。

まず、スピーディーに決断、応募すること。メキシコでは日本と異なり、応募順に選考が行われることが多いようです。したがって、仕事探しの時点で迷って応募のタイミングが遅れてしまうと、採用枠が既に埋まっていた…ということにもなりかねません。
自分の条件を洗い出して優先順位をつけることで、仕事を探しやすくなりますから、ぜひやってみてください。

そして、語学力のレベルだけで仕事を探すのも可能性を狭めてしまうことに繋がりますから避けましょう。
スペイン語が堪能であるほど、選択肢を広げてくれる可能性は高いのは事実ですが、「英語だけできればOK」「通訳者が付くので語学力不要」「日常会話ができれば大丈夫」…というように、企業が求める語学力には幅があります。
メキシコでは、相手の言葉を一生懸命理解しようする文化が根付いているため、「堪能でなければいけない」という先入観をなくして探したほうが、仕事が見つかりやすいかもしれません。

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