このページのまとめ
- メキシコはスペイン語人口が世界最多であることから語学留学先として注目されている
- メキシコ留学にかかる費用は、物価は安いものの渡航費が高め
- メキシコ留学には奨学金制度の利用も一手
- メキシコは治安や医療費など気をつけるポイントがある
- メキシコシティやカンクンなど、観光もできる都市が留学先としてオススメ
「スペイン語人口が世界最多」「世界屈指のビーチリゾートを堪能できる」「マヤ文明の遺跡やバロック調の建築物がみられる」そんなメキシコを留学先に選ぶ日本人は少なくありません。このコラムでは、メキシコ留学に関する情報をピックアップして紹介しています。気になる費用や、注意すべきポイントを押さえて、メキシコ留学について考えてみましょう!
メキシコはこんな国
メキシコは、面積約197万平方キロメートルと日本のおよそ5倍以上の国土を持つ国。スペイン語人口が世界最多で、語学留学先として多くの日本人に選ばれています。
人口
人口は約1億2,619万人(2018年)で、人口順位は世界11位。人口の半数以上が30歳未満の若者が多い国です。なお10位は日本で1億2720万人でした。
気候
北半球にあるため寒い時期と暑い時期は日本と同じですが、メキシコには乾季(1~5月、10~12月)と雨季(6~9月)があります。雨季は、昼間晴れて夕方雷を伴う雨が降るのが通常であるものの、低気圧が停滞すると1日雨が降り続けることも。
観光を楽しむなら、中央高原エリアは春のような気候の乾季がおすすめです。カリブ海では9~10月にハリケーンが発生するので、できればその時期を避けると良いでしょう。
メキシコシティなどの高地では昼と夜の寒暖差が大きいので、服の調整に気をつけてください。
公用語
国内で最も多く話されるのはスペイン語ですが、メキシコには国が定める公用語はありません。人口の1割程度は先住民の人たちが占めており、今も60を超える先住民の言語が話されています。
なお、英語は空港やリゾート地、アメリカの国境付近エリアで通じることが多いですが、それ以外は首都のメキシコシティであっても話せる人が少ないようです。
宗教
昔スペインに植民地化された影響で、スペイン人が持ち込んだキリスト教(カトリック)が今も主要な宗教です。
メキシコのクリスマスは、12月初旬から1月6日までお祝いが続くとても長いイベントとなっています。
歴史
ヨーロッパ人が渡来する前はマヤ文明やアステカ文明という独自の文明が栄えました。
16世紀にスペイン人によってアステカ文明の都であったテノチティトラン(現在のメキシコシティ)が侵略され、メキシコはスペインの支配を受けることに。その後1810年にメキシコ独立戦争が起こり、1821年に独立が果たされました。
食文化
主食はトウモロコシの粉を薄く伸ばしてつくったトルティーヤ。肉や野菜をトルティーヤで包んだ料理をタコスと呼びます。
メキシコ料理ではトウガラシが重要な食材で、食卓に必ずといって良いほど用意されるサルサ(メキシコ語でソースの意)には、トウガラシがふんだんに使われています。
通貨
メキシコの通貨単位は「ペソ」。補助単位として「センダボ」が使われます。
現在流通するペソは、紙幣が20、50、100、200、500、1000。硬貨が1、2、5、10、20。センダボが10、20、50。
1メキシコ・ペソは日本円にして5.74 円です(2019年2月19日時点)。
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メキシコ留学の準備
留学には事前の準備が欠かせません。
本項ではメキシコ留学前に準備しておくことについて、ピックアップして解説します。
留学先を選ぶ
留学準備の要は、留学先の学校・地域を選ぶことです。
選ぶ基準は人によって違いますが、留学先を探す際には以下に紹介するような観点をふまえてみても良いかもしれません。
留学で何をしたいのか
「語学を学びたい」「観光がしたい」「文化を学びたい」など、留学の目的は人それぞれ。まずはそういった留学の目的が達成できるか、という観点をもって留学先を選ぶのが良いでしょう。後項では観光等でオススメのメキシコの都市を紹介しているので、参考にしてみてください。
天候や気候
海外渡航において「天候や気候の違いが予想以上に体に堪える」といった意見は少なくありません。気温や標高など、渡航前だと一見気にならないような情報でも、留学の際には良くチェックしておくのが良いでしょう。
食事
海外は、当然ながら日本とは文化や生活様式が異なります。特に食文化の違いは、短期渡航ならまだしも、留学になると気になるポイントです。
大都市か、小さな街か
大都市は、比較的活気があり、さまざまな経験を積むことができる反面、学費は高めです。小さな街は、学費が安めで落ち着いた環境の中で生活できますが、大都市に比べると諸所の面で起伏の少ない生活になるかもしれません。
奨学金が利用できるか
奨学金制度は、学費や生活費を補助してもらえる制度です。留学先の学校・地域によって、利用できる奨学金制度が異なる、もしくは奨学金制度が利用できないケースもあります。奨学金制度の利用を検討している人は、その利用条件から留学先を考えてみても良いかもしれません。奨学金制度に関しては後項で紹介しています。
専攻は何か
いわゆる「正規留学」をする場合には、専攻で留学先を選ぶことが必要です。大学によって強い専門分野が異なるので、専攻する分野に力を入れている大学を探しましょう。
滞在先を決める
メキシコの滞在方法には、さまざまな種類があります。本項で紹介するのは、留学生が利用しやすい代表的な滞在方法の例です。
ホームステイする
ホームステイとは、現地の一般家庭に寄宿する滞在方法です。現地のありのままの生活を体験できるので、その地の文化や風習を肌身で感じることができます。メキシコの文化を学びたい人や、現地の生活に慣れたい人に適した滞在方法だといえるでしょう。
ただし、基本的には「食事付き・水道光熱費込み」なので、費用が高くなってしまうこともあります。ホームステイは「食事なし」等、それぞれの家庭で異なる条件を設けているので、費用が気になる方は安価なホームステイ先を探してみても良いかもしれません。
学生寮に入る
学生寮は、外国人学生と関わる機会が多いので、同年代の知り合いを作るチャンスがあります。寮という性質上、ある程度長期の渡航をする際にオススメの滞在方法です。
基本的に学生寮には、学校に近い立地、Wi-Fiが通っている、近所に学生向け施設が多い、といったメリットがあります。
他方で、他の外国人と同室になったり、寮の学生と集まって話す機会が多かったりするので、開放的な環境が肌に合わない方は、順応するのに時間がかかるかもしれません。
アパートを借りる
物件選びから生活の方法まで、自主性を持てるのがアパートを借りる特徴です。他の滞在方法と比較して、自分のペースで生活することができます。そのため、現地の生活にある程度慣れている人等にオススメの滞在方法です。
海外では一人暮らしよりも、アパートや物件をシェアする方法が一般的。物件を選ぶ際には、料金だけでなく、シェア人数・治安・セキュリティ・交通の便といったポイントに注意するのが良いでしょう。
留学期間に合わせたビザを発行する
海外渡航では、就労や留学といった目的に応じたビザを取得するのが一般的です。
メキシコでは180日以内の滞在の場合、ビザは必要ありません。一方それを超える場合には、日本のメキシコ大使館で、いわゆる「学生ビザ」を取得する必要が出てきます。
学生ビザは、メキシコの教育担当機関「Sistema Educativo Nacional」に登録されている学校のみが取得対象です。それ以外の教育機関に180日以上通う場合には、メキシコ大使館に別途問い合わせをする必要があります。
なお、メキシコで報酬を得て働く場合には「就労ビザ」や「永住ビザ」が必要です。
そのため「学生ビザで留学している間にアルバイトで稼ぐ」ことは、制度上はできないことになります。
※国政によって状況が変わることもあるので、渡航前に最新情報を確認することをおすすめします。
参照:メキシコ大使館「査証」
準備に自信のない人は留学エージェントを利用しよう
準備をするのに自信がない方は、留学エージェントの利用がおすすめです。
留学エージェントは、留学準備の代行だけでなく、留学生と留学先との仲介も行っています。現地事情や留学の過程を案内してくれるので、特に、留学が初めての方など勝手がわからないうちは、エージェントを活用するのが良いかもしれません。
一方で、有料のエージェントで相談料が高くなったり、留学エージェントごとに専門の地域が異なったりするため、自分に合ったエージェントを探して活用することが重要です。
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メキシコ留学に必要な費用
メキシコへの留学費用について、渡航費、生活費、学費にわけて目安となる額をご紹介します。
メキシコ留学にかかる主な費用
渡航費:片道10~16万
メキシコへは成田からメキシコシティ行きの直行便が出ているほか、アメリカやカナダ、北京、上海などで乗り継いでアクセスする方法もあります。便利なのは直行便ですが、途中でアメリカや中国の航空会社に乗り継ぐと料金が安くなります。
メキシコ渡航は地理的に距離があるため、費用が高くなりがちです。
渡航費を抑えるには、格安航空を使ったり、航空会社のセールを活用したりする方法もあるので、節約したい場合は航空会社のWebサイトを確認するのが良いでしょう。
生活費:月4~8万円
メキシコは物価が安いため、生活費は日本より低く抑えられます。食費はレストランに行くと高くなりますが、スーパーで食材を買って自炊するか、屋台を使えば安く済むでしょう。
また、メキシコは交通費が安いのが特徴で、都市部の地下鉄やバスは30円ほどで乗車可能。タクシーの初乗りも50円ほどです。
家賃相場は住む場所によって異なりますが、月2~3万円でアパートを借りられます。ただ、住まいに関しては節約だけでなく、周囲の治安や建物自体のセキュリティにも配慮したいところです。
学費:月1~15万円
語学留学をするのであれば、留学先は大学附属の語学学校か私立の語学学校になります。
学費は学校によって異なるので、各学校が公開する情報を参照しましょう。留学全体の費用を安くするには、学校が提供する宿泊サービスを活用するのも有効です。
大学附属の語学学校では大学進学を前提としたカリキュラムが組まれるため、語学学校卒業後にメキシコでの大学進学を目指す人におすすめ。大学進学を希望する場合は、その大学に附属する語学学校を選ぶのがベストです。
一方私立はより実践的なカリキュラムが多いので、就職やビジネスに役立つスペイン語を学びたい場合、個人授業を受けたい場合におすすめです。私立の語学学校に通う場合、メキシコ教育省から認定を受けた学校を選ぶのが良いでしょう。
留学目的によっては奨学金制度を活用できる
上記の項目で挙げたように、海外留学には費用がかかるので、ある程度まとまったお金を用意しなければなりません。そこで、留学に行きたいという意志はあっても、経済的な理由から、実行に移せないでいるという方も多いのではないでしょうか。
そういった経済的なハードルを感じる場合には「奨学金制度」の利用を検討してみるのも良いかもしれません。
奨学金制度とは、学費や生活費を補助してもらえる制度です。
奨学金制度の種類は多岐にわたり、以下のような特徴があります。
- 貸与型(返済義務あり)と、給付型(返済義務なし)がある
- 運営は地方自治体、政府、民間企業などさまざま
- 進学や留学など制度ごとに目的が決められている
- 採用人数、対象年齢、期間などの条件がある
たとえば、メキシコ留学を例に挙げると、運営元や利用条件などの異なる奨学金制度が約70件もあり、種類が非常に豊富です。なかには外国政府の運営する「メキシコ政府奨学金」や日本学生支援機構の「海外留学支援制度」などが含まれています。
そのため、自分の状況に合った奨学金プランを探すことも可能だといえるでしょう。
なお、国内の大学等で利用される一般的な奨学金制度は「日本学生支援機構の奨学金」です。
同機構が運営する「海外留学奨学金検索サイト」では、渡航先の国や留学の目的、奨学金団体名などから奨学金制度を検索することができるので、奨学金制度の利用を検討している方はチェックしてみても良いでしょう。
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メキシコ留学する際に気を付けたいこと
メキシコ留学に関して、治安や医療などを懸念している方も少なくないはず。本項ではメキシコ留学をする際に気をつけたい点について解説します。
英語が通じないことがある
メキシコで話される言語は基本的にスペイン語です。そのため日本語はもちろん、英語も通じない、というのがほとんど。そのためメキシコ留学の際には、ある程度現地語について知っておいた方が良いかもしれません。
なお英語は、観光地等では通じることもあります。
治安が良くないエリアがある
メキシコと聞いて治安の悪さを連想する方もいるでしょう。実際メキシコには、世界的に見ても、治安面で非常に危険性の高いエリアが点在しています。
ただし、メキシコの国土は広大かつ、治安が悪い地域は局所的です。
観光地や、外国人が留学先に選ぶような地域は、基本的に治安が安定しています。そのため「治安の悪そうな場所に立ち入らないようにする」程度の常識的な危機管理能力があれば、重犯罪に巻き込まれる心配はほぼありません。外務省では海外の治安情報について随時更新しているので、気になる方はチェックしてみても良いでしょう。
一方、海外生活においてはスリや置き引きといった軽犯罪に注意するのが一般的なルール。治安の良い地域でも、ある程度の防犯意識は持ち合わせていたいものです。
医療費が高額になることがある
メキシコの医療のレベルは比較的高いものの、医療費も高額になりがちです。たとえば私立の病院などでは、風邪の診察にも数万円かかってしまうことがあります。
他方で、公立の病院もありますが、待ち時間が長かったり、設備が古かったり、医薬品が不足していたりする、といったデメリットがあります。そういった背景により、日本人は医療費が高くても私立の病院に通うのが一般的です。
海外では、日本との環境の違いにより、思わぬ病気・ケガを経験することがあります。メキシコでは、標高の高さによる高山病や、乾燥した空気による呼吸器感染症などに注意が必要です。突発的な病気・ケガのリスクに備えるためにも、「海外旅行保険」等に加入しておいたほうが良いかもしれません。
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メキシコ留学におすすめの都市
留学は、現地の言葉や文化を勉強するものです。
その一方で、観光に出掛けたり、アクティビティを楽しんだり、現地の名産を買ったりと、海外生活をエンジョイできるのも留学の醍醐味!
本項では、メキシコの中でも、観光・勉強の両面から留学にオススメできるエリアをご紹介します。
メキシコシティ
メキシコの首都メキシコシティは、メキシコひいては中南米のなかでも最大級の都市です。
アステカの中央神殿「テンプロマヨール遺跡」や、バロック建築・新古典主義様式が顕著な「メトロポリタン大聖堂」など、各時代の美しい建造物が目を惹きます。
銀行やお店などの施設、交通手段が充実しており、生活が至便なエリアです。
グアナファト
銀山とカラフルな街並みで知られるグアナファトは、こじんまりとしたのどかな街です。日中の街は観光客で賑わい、夜は市街がライトアップされます。昼と夜とで2度楽しむことのできるエリアです。
オアハカ
標高1,550メートルの高地に位置する都市で、バロック様式の建造物が残る町並みが魅力。先住民比率が国内で最も高く、街中では伝統衣装や民芸品がお土産として売られています。
民族舞踊の祭典であるゲラゲッツァ祭の期間中は、国内外から多くの観光客が訪れるでしょう。
プラヤ・デル・カルメン
カンクンから南に65キロほどのところにある港町。数十年前までは小さな漁村でしたが、近年は美しいビーチや質の高いレストランで観光客から注目を集めています。
プエブラ
かつてスペインの陶器職人が住みついたことから「陶器の町」と呼ばれ、今も多くの陶器が製造されています。市の中心にあるセントロ・イストリコは歴史地区として世界遺産に登録され、観光客に人気です。
プエプラは16世紀のスペイン入植によって築かれた歴史を持ち、街のあちこちでヨーロッパ風の建物が見られます。
カンクン
ユカタン半島に位置するカリブ海沿岸の都市。ビーチが美しいリゾート地として知られ、世界遺産に登録されたチチェン・イッツァなどの遺跡があります。
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