このページのまとめ
- メキシコの労働時間は年間2,258.3時間でOECD35カ国中最長
- メキシコの平均賃金は約168万円でOECD35カ国中最低
- ただし最低賃金は上昇傾向にある上、物価が安いので生活は可能
- メキシコの労働時間が長い理由は、週休1日で始業時刻が早い企業が多いことと、海外企業の進出が進み労働力の需要が高いこと
- メキシコでは仕事よりも家族を優先する、上下関係が厳しくない、ミスを責めることがないなどの理由から、労働時間が長くても働きやすい環境になっている
「陽気な国」というイメージから、メキシコに対して「あまり仕事熱心ではない」という印象を持っている方はいませんか?
実はメキシコの労働時間は日本よりも長く、年間2,258.3時間。しかしそんな長い労働時間の中でも、メキシコ人は楽しみを持って働いているようです。
まずは「年間2,258.3時間」という数字が日本と比べてどれほどの長さなのか、データを基に見てみましょう。
メキシコの労働時間
OECD(経済協力開発機構)の2018年のデータによると、メキシコの労働時間はOECD35カ国中最も長くなっています。
具体的には「年間2,258.3時間」という結果が出ていますが、どれくらい働いているか想像しづらいので年間休日を概算してみましょう。
メキシコ
年間労働時間:2,258.3時間(OECD35カ国中1位)
年間休日:83日
日本
年間労働時間:1,710時間(OECD35カ国中17位)
年間休日:151日
※1日8時間労働として計算
参照元:OECD – Hours worked https://data.oecd.org/emp/hours-worked.htm
メキシコ人は日本人よりも長く働いている!
1日8時間労働と仮定すると、メキシコの平均労働時間である年間2,258.3時間は、1年に約282日働いている計算になります。
つまり年間休日は83日。夏季・冬期休暇を除くと、日曜・祝日に加え月1回土曜日が休みになる程度のペースです。
ちなみに、同じ調査で日本の労働時間は年間1,710時間。上記と同じ計算をすると、1年に約214日働き年間休日は151日となります。
年間休日151日ですと夏季・冬期休暇、土日祝の他に20日間程度の休みがある計算になるので、「実情よりも休みが多い」と感じる方も多いでしょう。あくまで目安と考えた方が良さそうですが、「働きすぎ」と言われる日本よりもメキシコの方が労働時間が長いという意外な結果となりました。
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メキシコの平均賃金
では、平均賃金はどれくらいなのでしょうか。2017年のデータを日本と比較して見てみます。
メキシコ
平均賃金:1万5,314ドル(OECD35カ国中最低)
日本円にすると:約168万円
日本
平均賃金:4万863ドル(OECD35カ国中18位)
日本円にすると:約449万円
※1ドル=110円として計算
参照元:OECD – Average wages https://data.oecd.org/earnwage/average-wages.htm
メキシコの平均賃金は低水準、でも…
労働時間が長いメキシコですが、賃金の面では低い水準となりました。
主な要因は、メキシコが新興国であること。ただし、メキシコの最低賃金は年々上昇を続けています。
メキシコの全国最低賃金評議会(CONASAMI)は、2019年の最低賃金を前年の16.21%増としました。メキシコ国内では最低賃金引き上げを求める声が大きく、これからも状況は改善されていくと見込まれています。
参照元:独立行政法人労働政策研究・研修機構 – 2019年最低賃金を発表 https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2018/12/mexico.html
賃金が低くてもメキシコで生活できる理由
「これほど給与が低いと生活に困ってしまうのでは?」と考える方もいるでしょう。
しかし、メキシコの物価は日本と比べると安く、現地でなら上記の平均賃金でも生活は可能です。
さらに、日本人向けの求人は現地向けのものよりも給与が高い場合がほとんど。海外就職を検討する際にも「メキシコの賃金で生活が成り立つのかな?」と心配する必要はそれほどなさそうです。
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メキシコの労働時間が長い理由
メキシコの労働時間が長いことには、現地の習慣や昨今の経済事情が関係しています。
週休1日が多い
メキシコでは週休1日の企業が多く、土曜日は休みにならないことがほとんど。近年は国内に工場が増えているため、稼働時間が長くなる傾向にあるようです。
朝が早い
始業時刻が7~8時と、朝が早いことも労働時間の長さに関連していると考えられます。これも、朝早い工場が多いことが原因の1つ。しかし一般企業でも、朝食を摂りながら会議をしたり、早く出勤して午前中に朝食休憩を入れたりすることがあるようです。
海外企業が多く進出していて労働力が求められている
メキシコには前述のように工場が増加していますが、これは海外企業が国内に進出しているためです。大国アメリカと国境を接し、輸出に有利な環境にあるメキシコ。日系企業もメキシコに注目し、特に自動車メーカーが工場の設立を進めています。
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メキシコ人は労働時間が長くても陽気に働いている!
ここまで読んだ方は「日本より労働時間が長いんじゃメキシコで働くのはつらそう…」と思ったかもしれません。
しかし、メキシコ人は労働時間が長くてもそのイメージどおり楽しみながら仕事をしているようです。
仕事よりも家族を大切にする
メキシコには、家族を非常に大切にする文化があります。職場で社員の誕生会を開いて家族を招待したり、出勤時に自分の子どもを連れてきたりするケースも。配偶者の体調不良で仕事を休むことも珍しくありません。
「仕事をしているのは家族のため」という共通の意識があるからこそ、明るく働けるのでしょう。
上下関係がフラット
厳しい上下関係がないことも、メキシコの働きやすさのポイント。年齢や社歴で「先輩」「後輩」を区別することは少ないようです。
提案があれば、たとえ相手が上司であってもすぐに意見を出し、出された方は部下だからといって指摘をないがしろにすることはありません。
また、不満があればすぐに転職するという習慣があることも、上下関係を重視しない環境に影響していると考えられます。
失敗を責めない文化がある
メキシコでは、仕事で失敗した人を責めたり叱ったりすることはほとんどありません。これは国民性のようなもので、ミスの理由を質問すると言い訳のように聞こえる回答をされることもあるようです。
日本人からすると「無責任だ」と感じてしまう面でもありますが、メキシコ人がモチベーションを下げずに働ける背景の1つだと言えるでしょう。
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