メキシコ国旗と硬貨の画像

このページのまとめ

  • メキシコの世帯平均所得は、年額で約165万円、月額で約14万円
  • 都会部と農村部の経済格差が大きい
  • 日本人は待遇が良く、新卒でも月額給与15万円~が相場
  • メキシコは物価が安いので、ある程度余裕のある生活ができる
  • スペイン語や技術系のスキルがあれば高収入を実現しやすい

メキシコでの就職を検討している方に向け、メキシコの平均年収について解説します。日本人が働く場合の給与相場についても解説するので、コラムを読んでチェックしておきましょう。

また、本コラムを提供するレバレジーズキャリアメキシコでは、日本語話者の方のメキシコでの就職をサポートしています。海外で働くにあたって、メキシコも視野に入れている方は、ぜひご相談ください。

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メキシコの平均年収はいくら?

メキシコの貨幣・硬貨のイメージ

ここではメキシコの平均年収について解説します。

世帯平均所得は年額で約165万円

メキシコの世帯平均所得は、年額で日本円にして約165万円です。

国立統計地理情報院(INEGI)が2年に一度実施する全国家計調査(ENIGH 2022)によれば、2022年の世帯平均所得額は、四半期換算で6万3,695ペソと発表されています。

これは、月額にすると2万1,231.ペソ(約13万7,800円)、年額にすると約25万4,780ペソ(約165万3,500円)になる計算です。世帯所得額なので個人の年収とは一致しませんが、メキシコの年収事情の参考にすることはできるでしょう。

参照元
Instituto Nacional de Estadística y Geografía (INEGI)「Encuesta Nacional de Ingresos y Gastos de los Hogares (ENIGH). 2022 Nueva serie
※1ペソ=6.49円(2022年期中平均レート)で算出

経済格差が大きく、地域によって給与水準が異なる

メキシコは貧富の差が大きい国です。都会では自家用車を持てるくらいの中間層が多く暮らしているものの、農村部では日給1,000円~2,000円ほどで暮らす低所得者が大半を占めている状況です。低所得者が多い反面、一部の人がお金をたくさん稼いでいるという構造になっています。

INEGIの調査によれば、所得上位10%の世帯平均所得は月額で6万6,899ペソ(約43万4,000円)ですが、下位10%の世帯平均所得は月額で4,470ペソ(約2万9,000円)しかありません。上位と下位で約15倍の経済格差があることになります。

貧富の差が大きいため、平均年収だけではメキシコの年収事情を判断するのは難しいといえるでしょう。

OECD加盟国の中では平均年収は最下位

OECD(経済協力開発機構)の調べによると、メキシコの平均年収は、2023年度で20,090USドルと発表されています。

この数字はOECD加盟国の38カ国中最下位で、メキシコの賃金は決して高いとはいえません。参考までに、日本の平均年収は加盟国中で24位の42,118USドル、4位のアメリカは77,226USドルです。

メキシコは、日本と比較すると賃金が安い国ですが、国全体としては経済発展のさなかにあります。新興経済大国として世界的な注目を集めており、実際に多くの日本企業がメキシコに進出しています。

参照元
OECD「Average annual wages

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メキシコで働く日本人の給与相場

電卓と給料袋のイメージ

メキシコの給与相場は職種によっても異なります。ここでは職種ごとの給与相場について紹介するので、参考にしてください。

【職種ごとの月額給与相場】

職種 職位 給与相場(ペソ) 給与相場(円)
営業 新卒 27,000ペソ 19万9,800円
社会人経験3年程度 30,000ペソ

~40,000ペソ

22万2,000円

~29万6,000円

マネージャー 40,000ペソ

~60,000ペソ

29万6,000円

~44万4,000円

拠点長 60,000ペソ~ 44万4,000円~
事務職 社会人経験3年程度 20,000ペソ

~35,000ペソ

14万8,000円

~25万9,000円

会計・経理 社会人経験3年程度 30,000ペソ

~45,000ペソ

22万2,000円

~33万3,000円

総務人事 社会人経験3年程度 30,000ペソ

~50,000ペソ

22万2,000円

~37万円

技術職 社会人経験3年程度 40,000ペソ

~60,000ペソ

29万6,000円

~44万4,000円

IT技術者 社会人経験3年程度 35,000ペソ

~50,000ペソ

25万9,000円

~37万円

物流 社会人経験3年程度 30,000ペソ

~50,000ペソ

22万2,000円

~37万円

マネージャー 40,000ペソ~ 29万6,000円~
建設土木 社会人経験3年程度 20,000ペソ

~35,000ペソ

14万8,000円

~25万9,000円

サービス業 社会人経験3年程度 28,000ペソ

~40,000ペソ

20万7,200円

~29万6,000円

※1ペソ=7.4円で算出

メキシコの日系企業で需要が高いのは、自動車関係の製造業です。スペイン語のほかに技術系のスキルを持っていれば、より収入の高い仕事に就ける可能性が高まります。

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メキシコ:地域別の平均給与

財布から硬貨を出すイメージ

メキシコは日本の5.2倍の国土をもつ広大な国で、経済水準は地域ごとに大きな差があります。基本的に、工業が盛んな北部地域は所得が高く、農業州が多い南部地域は所得が低いのが特徴です。

所得が一番高いのは、北西部に位置するバハ・カリフォルニア・スル州です。世帯平均所得は、月額換算で約3万472ペソ(約19万8,000円)となります。2位以降はメキシコシティ、バハカリフォルニア州、ヌエボ・レオン州と続き、総じて北部地域の所得が高いことがうかがえます。

一方、所得が一番低いのは、南東部に位置するチアパス州です。世帯平均所得は、月額換算で1万1,087ペソ(約7万2,000円)となります。以降は、所得が低い順にゲレロ州、オアハカ州、ベラクルス州と、南部の州が続きます。

地域によって経済格差があるものの、給与が低い地域は、物価も低いというのが基本です。そのため、収入が少ない地域でも生活していくことはできます。

参照元
Instituto Nacional de Estadística y Geografía (INEGI)「Encuesta Nacional de Ingresos y Gastos de los Hogares (ENIGH). 2022 Nueva serie
※1ペソ=6.49円(2022年期中平均レート)で算出

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メキシコの生活費は?

財布とお札のイメージ

ここではメキシコで暮らす場合の生活費について解説します。

メキシコの通貨と日本円への為替レート

メキシコの通貨は「メキシコ・ペソ(peso mexicano)」といい、通貨記号は「$」ですが、USドルとの混同を避けるために「Mex$」と表記されることもあります。補助通貨として「センターボ(centavo)」と呼ばれるものもあり、1ペソは100センターボです。

1ペソは日本円にして約7.4円です(2024年9月時点)。

流通するペソ貨幣は1000、500、200、100、50、20の6種類。
硬貨は、ペソが20、10、5、2、1、センタボが50、20、10、5の9種類となっています。

メキシコの家賃

メキシコの家賃相場は、地域や立地条件によって大きな差があります。メキシコ全土の平均でいえば、家賃は3000~4000ペソが相場。ただし、都会部は家賃が高騰しており、20,000ペソ以上が相場になる地域もあるので注意が必要です。

メキシコではシェアハウスが人気で、都会部では社会人もシェアハウスを利用しています。シェアハウスは格安で借りることができるので、家賃を節約したい人におすすめです。

ただし、住む家を値段だけで決めるのは避けましょう。建物が古かったり、治安の悪い地域に立っていたりすることもあります。周囲の環境やセキュリティ面を考慮した上で、安全性を優先して住まいを選ぶことをおすすめします。

メキシコの食費

メキシコは農業が盛んなため、肉や野菜、果物は日本と比べて安く手に入ります。自炊をするなら、食費はかなり抑えられるでしょう。

外食でも、タコスなら120円くらい、食堂のランチセットが550円くらいという感覚です。観光客向けには高級レストランもありますが、ローカルのお店を選べば外食も安く済ませることができます。

ただ、メキシコシティのように海から離れた地域では、輸送にコストがかかるので海産物が高め。魚介を中心とした日本料理は価格が上がる傾向にあります。現地の味に慣れたほうが節約できるでしょう。

メキシコの光熱費

地域や生活スタイルによって差があるものの、電気代や水道代は150ペソ、ガス代は500ペソ~が相場となります。なお、公共料金や通信費は家賃に含まれていることが多いです。大家や管理会社が代わりに支払ってくれるので、自分で振り込む手間を省けます。

メキシコの交通費

交通費はかなり安価です。メキシコシティ内では、地下鉄は距離に関わらず一律5ペソ、市内バスも4~6ペソほどで利用できます。また、タクシーは50ペソ~と割高なものの、日本に比べると安いので便利に利用できます。

メキシコの医療費

物価が安いメキシコで、お金がかかるとされているのが医療費です。

メキシコで働く人は健康保険「IMSS」に加入しているので公立病院を無料で利用できます。しかし、公立病院は混んでいることが多く、設備や機材が古いので、現地に暮らす日本人の多くは私立病院を受診します。都市部には日本人医師がいる私立病院もあって便利に利用できますが、医療費が高い点がネック。診療費だけで1万円程度かかることもあります。メキシコで病気や怪我をすると、かなりの出費になってしまうため、自身で医療保険に入って備えることをおすすめします。

メキシコでは病院の待ち時間が長いこともあり、現地の人は軽い風邪では病院にはかからず、薬局の無料の診察を利用して薬を買うケースが多いようです。薬局では医師が無料で相談に応じてくれるので、多少の体調不良であれば薬局を利用するのがおすすめです。

メキシコの娯楽費

物価が安いメキシコでは、娯楽施設も日本より安く利用できます。映画館なら、80ペソ(約590円)が相場。リーズナブルな価格で映画を楽しむことができます。

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メキシコの給与事情

コインの積み重ねの上に立つさまざまなミニチュアの画像

日本では給与というと月に1回前月の分を受け取るのが普通ですが、メキシコでは月に2回、毎月15日と月末に給料を受け取るのが一般的です。メキシコの給料日は「キンセナ(quincena)」といい、キンセナには街のATMに行列ができるのがよくある光景。

給料日が月に2回あるのは、「もらったお金はすぐに使ってしまう」というメキシコ人の気質によるもので、仮に給料日が月に1度だとすると、そのタイミングでお金を使い切ってしまって次の月まで生活ができなくなるからです。メキシコには、貯金という考えは根付いておらず、お金は物に変えるという認識が一般的です。

ほかに日本の給与文化と異なるのは、日本ではボーナスは年に2回、夏と冬に支給されますが、メキシコでは冬の1回のみ。
また、メキシコは日本と違ってボーナスに関する法的なルールがあり、企業は12月20日までに最低15日分の賃金を従業員に支払う必要があり、たとえ業績が悪くても支払うのが義務となっています。

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