このページのまとめ

・駐在妻の悩みには、生きがいの喪失や夫への経済的依存への不安などが挙げられる
・駐在妻が働くにはハードルがあるが、やり方次第で現地での就労も可能
・就労が認められない場合は、クラウドソーシングでの在宅ワークを行う手がある
・就労が許可された場合は転職エージェントでの仕事探しがおすすめ
・就労前には、「納税手続き」と「駐在員の福利厚生の条件」を確認すべき


夫の海外転勤で駐在員の妻となり、現地で孤独を感じる人もいるでしょう。日本での生活や就労経験を思い出し、仕事をしたいと考える人も少なくないはずです。駐在妻が現地で仕事に就くことは簡単ではありませんが、やり方次第で就職は実現できます。このコラムでは、駐在妻の悩みや抱えるハードル、可能な就労方法をご紹介します。現地での働き方を知り、自分に最適な仕事を見つけましょう。

駐在妻が現地で感じる悩み

日本で働いていた人が現地で専業主婦になったときは、どのような悩みを感じるのでしょうか。駐在が決まった人の妻が正社員だった場合、仕事を辞めて帯同するという選択を取る人も少なくありませんが、そこにはさまざまな問題があるようです。

【生きがいをなくしてしまったと感じる】
ある程度のキャリアを持った人が現地で専業主婦になると、アイデンティティを失ったと感じることがあるようです。
今まで働いている自分に誇りを持っていたという人は、専業主婦になると「自分は必要とされていないのでは」「何の役にも立っていない」と思ってしまうことも。家事や育児に身が入らず、喪失感、焦燥感から鬱状態になってしまうケースもあります。
さらに、帯同が終わった後に日本で再就職できるかという点も不安要素の1つのようです。

【家事・育児がうまくいかない】
専業主婦になると、平日の日中の時間が急に空くため、何をしたら良いかわからなくなってしまうという例もあるようです。
日本で正社員として働いていた人は、平日は仕事、土日は家事とプライベート、というメリハリある生活が習慣になっていたことでしょう。中には、家事があまり得意ではない、子どもと一日中一緒にいるのが負担に感じる、などの理由から「働いている方が自分に合っていた」という人も。そんな人にとっては、専業主婦というスタイルは決して楽なものではないでしょう。
特に駐在中は、日本の食材や日用品が入手しづらい、治安の問題で外出が難しいなど、家事・育児をさらに困難にする要素が増えてしまうようです。

【経済的に自立していないことに後ろめたさを感じる】
専業主婦だと「自由にお金を使えない」と息苦しさを感じてしまう例もあります。
フルタイムで仕事をしている妻は、自分にも安定した収入があるため「夫とは対等の立場にある」「いざとなったら自分の力で生きていける」という自信を持っていることが多いようです。
専業主婦は夫婦で分業制を取るという1つのスタイルでしかありませんが、経済的に自立していないと感じてしまう人も。その分、家事や育児を完璧にやらなければ、と自分を追い込んでしまうケースも見られます。引け目を感じて、夫に意見を言ったり家事の分担をお願いしたりできなくなるという駐在妻もいるようです。

【周りに相談できる人がいない】
駐在妻は、自分の悩みを相談できる人が近くにいないというのが現状のようです。
多くの場合、現地には駐在妻のコミュニティがあります。しかし元々働いていた人は「コミュニティには日本でも専業主婦だったという人が多く話が合わない」と感じることがあるそう。中には「自分が仕事をしていた」ということも言い出せず、コミュニティ参加自体がストレスになってしまうというケースもあるようです。
当然、両親や兄弟とは遠く離れているのですぐには相談できません。身近にいる家族は夫ということになりますが、夫も慣れない国での新しい仕事に疲れているため、妻の話を十分に聞くのは難しいでしょう。

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駐在員の妻はメキシコで仕事ができる?

こうした悩みを解決する方法の1つに、「現地で仕事をする」というものが挙げられます。
駐在妻は現地で働くことはできるのでしょうか。

【「同居家族」の就労は認められていない!】
メキシコには、帯同ビザはありません。帯同家族はメキシコに入国後、180日以上滞在する人のための在留カード「TRT(Tarjeta de residente temporal estudiante)」を「同居家族」の枠で取得します。この同居家族のための在留カードを通称として帯同ビザと呼ぶこともあるようです。
しかし、メキシコでは在留カードだけで働くことはできません。メキシコで報酬を得る場合、就労ビザの発行が必要です。どうしても働きたい場合は、就労ビザに切り替える手続きを行うことになるでしょう。

【妻の就労を夫の会社が認めないことも】
ただし、就労ビザの切り替えについては、夫の会社が許可しないというケースもあるようです。
また、駐在員には独自の福利厚生が用意されていることが多くなっていますが、その中には家族帯同を条件に付されているものも。たとえば、住宅手当が家族帯同を想定した金額になるほか、子どもの学費や妻用の自動車、一時帰国の費用も会社が負担するという例も見られます。帯同という条件がなくなれば、これらの待遇もなくなってしまうかもしれません。

【駐在妻が働くなら「現地採用」だけど…】
駐在妻が現地で仕事をする場合は、夫のような駐在員としてではなく現地企業に直接雇用される「現地採用」になるでしょう。現地採用の待遇は、メキシコの人と同等です。駐在員が受けているような福利厚生はほとんどありません。自己負担になる部分が増え、あまり稼ぎにならないという事態も考えられます。
このほか、駐在期間が終われば妻も帰国してしまうことから、短期間しか働けない駐在妻は避けるという現地企業もあるようです。

【現地語を話せないというハンディキャップも】
仕事をするうえで語学力は欠かせない要素です。しかし、駐在妻は夫の帯同で海外に住むことが決まったため、現地の言葉を習得している方は少ないのが現状でしょう。
現地語を話せなくても就ける仕事もありますが、雇用契約や些細なやり取りをする際に現地語を話せないことがネックになる可能性があります。現地の日系企業や日本人スタッフの求人に応募する際にも、やはり現地の言葉でコミュニケーションを取る必要が出てくるでしょう。現地で仕事に就くには、ある程度の基礎的な語学力を身につけることが求められます。

ちなみに、メキシコではそもそも就労ビザがなければ働けませんが、世界には帯同ビザで仕事ができる国もあります。しかし法的には問題なくても、会社の規定で「帯同者は就労できない」と決めているケースもあるため、駐在妻が現地で働くことには他国でも大きなハードルがあるようです。

では、駐在妻が仕事をすることは不可能かというと、そんなことはありません。次項に挙げる方法で、駐在妻でも現地にいながら働くことができます。

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駐在妻が現地で仕事をする方法

駐在妻がメキシコで仕事を行う方法として、次の3つが挙げられます。

【1.クラウドソーシングを利用して在宅ワークを行う】
夫の会社から就労が認められなかった場合、クラウドソーシングを使った在宅ワークを行うという手があります。クラウドソーシングでの仕事なら、メキシコにいながら日本の仕事を受けている状態になるため、許可されやすいでしょう。
仕事内容は、未経験の方でも始めやすいデータ入力や文字起こしといった仕事から、専門スキルを活かせるプログラミング、デザイン、翻訳などさまざま。また、海外在住のライターとして、海外生活の情報を発信する仕事もあるようです。クラウドソーシングを利用した在宅ワークは、パソコンさえあれば誰でも始めることができます。就労の許可が下りなかったという人はもちろん、これまでのキャリアや、駐在妻としての経験を活かしたいという人にもおすすめです。

【2.現地で就職先を探す】
夫の会社から就労が認められた場合は、現地で仕事をすることが可能です。現地採用の場合、既に説明した通り駐在員と現地採用では待遇に違いが出てしまうほか、駐在妻は採用されづらい傾向にあります。しかし、日本的なサービスの提供を行っている会社や、日本語を話せる人材を求めている業種であれば、駐在妻はそのニーズに合っているため、採用されやすくなるでしょう。場合によっては待遇の交渉ができる可能性もあります。

仕事の探し方としては、現地の転職サイトを使ったり、企業に直接連絡したりといった方法がありますが、現地の言語でコミュニケーションが取れないと難しい場合も多いようです。また、会社によっては選考結果の通知が遅くなることもありえます。そこでおすすめなのが、転職エージェントの利用です。エージェントを利用すれば、日本語でサポートしてくれるため、不安なく就活を進めることができます。さらに、応募企業への進捗管理や連絡を行ってくれるため、個人で行うよりも就活がスムーズに進みやすくなるでしょう。

【3.現在の勤め先でリモートワークが可能か相談してみる】
今までのキャリアを失いたくないという気持ちが強ければ、現在の勤め先に海外でのリモートワークを打診してみるのも良いでしょう。先述したように、インターネットの普及とともに、海外にいながらにして日本の仕事を請け負える在宅ワークという働き方が可能になりました。
リモートワークは、優秀な人材の確保や作業の効率化を図れるという点において、企業も注目している働き方です。IT企業などを中心にリモートワークを導入する企業も増えつつあります。
勤め先の業種や社風によるところは大きいですが、退職を決断する前にリモートワークについて相談してみるのも1つの手段でしょう。

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駐在妻が現地で就職するためにおすすめの資格やスキル

必要となる資格やスキルは、希望する職種や働き方によって異なります。一概にいうことはできませんが、海外で仕事をするのであれば、英語を習得しておいて損はないでしょう。
英語は公用語として世界各国で広く用いられています。IELTSやTOEFLは、海外留学などで英語力の判断材料とされるケースもある資格です。海外で認識されやすいため、これらのスコアを取得しておくと良いでしょう。TOEICは日系企業の就職に有利に働くことが多いようです。英検は日本独自の資格なため、海外での認知度は低いのが現状だといえます。

日系企業による現地採用を狙うなら、MOSや日商簿記、ビジネス会計検定といった経理や会計に活かせる資格がおすすめです。これらの資格やスキルは業種の区別なく重宝されるため、現地での就職の後押しになるでしょう。また、会計などはクラウドソーシング化されつつあるため、在宅ワークで役立つ場合もあります。資格を掲示することでクライアントの信頼を得やすくなり、仕事の受注などがスムーズに運ぶ可能性も高まるのではないでしょうか。
他にも、IT系の仕事は現地就職や在宅ワークの垣根なしに需要度が高い職種の1つです。IT分野で働くなら、基本情報技術者やネットワークスペシャリスト、ITパスポートといった資格の取得をおすすめします。プログラミング言語のスキルもあわせて身につけておくと良いでしょう。

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就職する前に確認しておくべき事項

現地で仕事をする前に、以下の事項に関してあらかじめ確認しておきましょう。

【納税の手続きについて】
現地で仕事をして所得を得るのであれば、納税の手続きが必要です。
日本での納税義務は、以下の条件のどちらか1つでも当てはまれば発生します。

・日本に住民票がある
・日本に住民票はないが、国内源泉所得(発生源となる素因や場所が日本の国内にある所得)がある

上記に当てはまらない場合、日本での納税義務はありません。ただし、滞在している国の納税制度には準じる必要があります。確定申告の手続きは国や地域によって異なり、夫の所得税に影響を与える可能性も。就労する前に確認しておくべき事項の1つだといえるでしょう。
また、税の制度は複雑で例外などが発生するケースもあるため、曖昧な点があれば税務署などの公的な機関で確認することをおすすめします。

【夫の会社が保障する福利厚生について】
先にも触れましたが、基本的に駐在員には特別な福利厚生が設けられています。その待遇は様々ですが、住宅手当や現地で使用する自動車、一時帰国の際にかかる交通費などを会社が負担してくれるケースが多いでしょう。また、これらの経費は帯同する家族の分も含めて算出されるのが一般的です。そのため、妻が現地で就労すると、これらの福利厚生を受けられなくなる可能性があることも頭に留めておいた方が良いでしょう。
他にも、家族手当を支給されている場合には、対象となる家族の所得上限が定められていることがあります。たとえ、妻の就労が認められたとしても、その上限を超えると支給の対象から外されてしまうため注意が必要です。現地で仕事に就く際には、夫の会社で定められている福利厚生の規定を確認したうえで、自分にとって最適な働き方を選択しましょう。

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就労ビザへの切り替え手続き

就職先が決まったら、就労ビザへの切り替えが必要になります。就労ビザ取得までの大まかな流れは以下のようになります。就労ビザに限りませんが、メキシコのビザは現地で取得することはできないという点に注意しましょう。

・就職先を決める
・雇用主から入国許可書をもらう
・日本へ帰国し、日本の領事館で就労ビザを申請、取得
・就労ビザを持って再びメキシコに入国

就労ビザを得るには、まず現地での働き口が決まっていることが条件です。駐在妻は現地に住んでいるため、日本在住の人よりは比較的容易に就職活動できるのではないでしょうか。
雇用主が決まったら、入国許可書を発行してもらいましょう。入国許可書は、現地の雇用主がメキシコ出入国管理庁に申請して発行してもらうケースが大半。慣れていれば本人が直接申請することも可能です。発行までは1カ月程度を要します。
入国許可書が手に入ったら、いったん帰国。必要書類を揃えて日本の領事館に面接の予約を入れます。予約が取れる日程は申し込みから1カ月後という例もあるようなので、早めの行動が大切です。面接当日はスペイン語で渡航の目的などを聞かれることが多いようなので、事前に回答を準備しておきましょう。

一見華やかに見える駐在妻。しかし、駐在妻にしかない悩みを抱える人も多くいます。もし働くことが生きがいになるなら、現地で就労することも検討してみてはいかがでしょうか。

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