このページのまとめ

  • 仕事をしたい駐在員の妻は、言葉の壁や家事育児との両立に悩む
  • 駐在員の妻は配偶者転勤休業制度や夫の会社が保障する福利厚生について調べておこう
  • 駐在員の妻が現地で仕事をするには就労ビザへの切り替えが必要
  • 現地での仕事には、クラウドソーシングを利用して在宅ワークを行う方法もある
  • 現地での就職には経理や会計、IT関連のスキルが役に立つ

夫の海外転勤で駐在員の妻となり、現地で孤独を感じる人もいるでしょう。日本での生活や就労経験を思い出し、仕事をしたいと考える人も少なくないはずです。駐在妻が現地で仕事に就くことは簡単ではありませんが、やり方次第で就職は実現できます。このコラムでは、駐在妻の悩みや抱えるハードル、可能な就労方法をご紹介します。現地での働き方を知り、自分に最適な仕事を見つけましょう。

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仕事をしたい駐在員の妻がぶつかる壁と悩み

現地で仕事をしたいと思った時に、駐在妻の多くがぶつかる壁や悩みがあります。

言葉やコミュニケーションの壁

仕事をするうえで語学力は欠かせない要素です。しかし駐在妻は夫の帯同で海外に住むことが決まったため、現地の言葉を習得している人は少ないのが現状でしょう。
現地の言葉を話せなくても就ける仕事はありますが、雇用契約や些細なやり取りをする際に話せないことがネックになる可能性もあります。現地の日系企業や日本人スタッフの求人に応募する際にも、やはり現地の言葉でコミュニケーションを取る必要が出てくるでしょう。現地で仕事に就くには、ある程度の基礎的な語学力を身につけることが求められます。

これまでのキャリアが途絶えてしまう

昔はサラリーマンの夫が、一家の大黒柱として妻と子供を養うというのが一般的でした。しかし現在では、結婚・出産後も仕事をする女性が多いのではないでしょうか。
夫にとって海外駐在は、大きなキャリアアップの1つになるでしょう。一方で夫に帯同する妻にとっては、退職や休職によりこれまでのキャリアが途絶えてしまいます。キャリア志向の働き方でなかったとしても、それぞれが積み上げてきたキャリアを中断せざるを得ません。それは働く妻にとって、非常に辛い選択といえるでしょう。

日本国内の転勤であれば1つの会社に長く勤めることは難しくても、同じ業界や同じ職種でキャリアを継続することは可能といえます。しかし海外では言葉やコミュニケーションの壁もあり、同じ業界や同じ職種での仕事は難しい状況にあるといえるでしょう。

家事や育児との両立

夫婦共働きは、家事・育児の両立が難しいことがあります。住み慣れた日本であれば、お互いの両親や知人の助けなどもあるでしょう。
しかし海外駐在では、頼れる人が少ないのが現状です。ましてや夫の海外駐在に帯同する妻においては、ほぼ皆無といっても過言ではないでしょう。海外は言葉だけでなく食事や文化など、全てが日本とは異なります。子供を預ける保育施設や学校でさえも、分からないことばかりで不安が多いでしょう。

海外駐在員には海外赴任に対する様々な手当てがあり、ベビーシッターの費用を負担してくれる企業もあります。日本ではあまり馴染みがないですが、海外でベビーシッターの利用は一般的です。特に海外駐在員が多い地域では、日本人のベビーシッターが多く働いています。またナニーといって子どもの世話や躾だけでなく、住み込みで料理や掃除などの家事をおこなってくれる存在も。こういったサービスを利用することで、家事育児の負担が少しへ減るのではないでしょうか。

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仕事をしたい駐在員の妻が確認しておくべき内容

夫の海外駐在に帯同することが決まったら、確認しておくべき内容が3つあります。

配偶者転勤休業制度

配偶者転勤休業制度とは、配偶者の転勤に帯同したいと考えている社員に対して休業を認める制度です。この制度は仕事と家庭の両立を支援するために作られました。
配偶者転勤休業制度を利用すれば、自分のキャリアを諦めなくてすむでしょう。また企業側も優秀な人材の離職を防ぐことができ、転勤から戻ってきた際にはまた働いてもらえるというメリットがあります。休業期間は各社異なりますが、最長で3年間程の休業を許可する企業がほとんどです。そのため退職をする前に、自分が勤めている会社が配偶者転勤休業制度を取り入れているか確認をしてみるとよいでしょう。

海外赴任帯同による再雇用制度

海外赴任帯同による再雇用制度とは、仕事を続けたい意志と職務をこなす能力があるのに、配偶者の転勤により退職を余儀なくされる社員に対し、退職から3年~5年以内を限度として再雇用の対象とする制度です。帰国後に再雇用を希望する場合は、退職時にこの制度の申請をしておく必要があります。この再雇用制度が会社にある方は、ぜひ申請しておくとよいでしょう。そうすれば先に述べた積み上げてきたキャリアを、帰国後に再度構築出来るのではないでしょうか。もし再雇用制度がない会社であれば、人事に掛け合ってみるのもよいかもしれません。

納税の手続きについて

現地で仕事をして所得を得るのであれば、納税の手続きが必要です。
日本での納税義務は、以下の条件のどちらか1つでも当てはまれば発生します。

・日本に住民票がある
・日本に住民票はないが、国内源泉所得(発生源となる素因や場所が日本の国内にある所得)がある

上記に当てはまらない場合、日本での納税義務はありません。ただし、滞在している国の納税制度には準じる必要があります。確定申告の手続きは国や地域によって異なり、夫の所得税に影響を与える可能性も。就労する前に確認しておくべき事項の1つだといえるでしょう。

また、税の制度は複雑で例外などが発生するケースもあるため、曖昧な点があれば税務署などの公的な機関で確認することをおすすめします。

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駐在員の妻が現地で仕事をすることは可能なのか?

実際に駐在員の妻が現地で仕事をすることは可能なのでしょうか。
以下2点についての留意が必要です。

夫の会社で妻の就労は認められているのか?

現地で駐在員の妻が働きたいと思っても、夫の会社の規定で帯同家族の就労が禁止されているというケースは珍しくありません。なぜなら駐在員は独自の福利厚生が用意され、国内勤務の社員よりも金銭面で手厚く優遇されているからです。例えば家族手当や、家族帯同を想定した金額の住宅手当、子どもの学費、妻用の自動車、一時帰国金の負担などがあげられます。
これらは駐在員の妻が現地で就労するのは難しいだろうという側面と、生活に困らないだけの補助をしているため妻は働く必要がないという考えもあるでしょう。そのためもし妻が現地で働くとなると、夫の会社から出ていた手厚い優遇措置が得られなくなる可能性があります。
現地での勤務を考えた時には、まず夫の会社で帯同家族の就労が可能か確認をしてから行動をした方がよいでしょう。

帯同ビザから就労ビザへの切り替えが必要

駐在員の夫は就労ビザ、それに帯同する家族は帯同ビザを取得するのが一般的です。駐在員の妻が現地で働きたいと思った時に、まず確認をする必要があるのは「渡航先の国が帯同ビザで配偶者の就労を認めているか」ということでしょう。
多くの国では就労ビザがなければ現地就労が出来ません。いくつかの条件を満たせば就労ビザがなくても働ける国もありますが、ごくごく限られています。そのため現地で働くには、帯同ビザから就労ビザへの切り替えが必要です。なお就労ビザを得るには、まず現地での働き口が決まっていることが条件となります。

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駐在員の妻が現地で仕事をする方法

駐在妻がメキシコで仕事を行う方法として、次の3つが挙げられます。

クラウドソーシングを利用して在宅ワークを行う

夫の会社から就労が認められなかった場合、クラウドソーシングを使った在宅ワークを行うという手があります。クラウドソーシングでの仕事なら、メキシコにいながら日本の仕事を受けている状態になるため許可されやすいでしょう。

仕事内容は、未経験の方でも始めやすいデータ入力や文字起こしといった仕事から、専門スキルを活かせるプログラミング、デザイン、翻訳などさまざま。また海外在住のライターとして、海外生活の情報を発信する仕事もあるようです。クラウドソーシングを利用した在宅ワークは、パソコンさえあれば誰でも始めることができます。就労の許可が下りなかったという人はもちろん、これまでのキャリアや駐在妻としての経験を活かしたいという人にもおすすめです。

現地で就職先を探す

夫の会社から就労が認められた場合は、現地で仕事をすることが可能です。現地採用の場合、駐在員と現地採用では待遇に違いが出てしまうほか、駐在妻は採用されづらい傾向にあります。しかし日本的なサービスの提供を行っている会社や、日本語を話せる人材を求めている業種であれば駐在妻はそのニーズに合っているため、採用されやすくなるでしょう。場合によっては待遇の交渉ができる可能性もあります。

仕事の探し方としては現地の転職サイトを使ったり、企業に直接連絡したりといった方法があります。しかし現地の言語でコミュニケーションが取れないと難しい場合も多いようです。また会社によっては選考結果の通知が遅くなることもありえます。そこでおすすめなのが転職エージェントの利用です。エージェントを利用すれば日本語でサポートしてくれるため、不安なく就活を進めることができます。さらに応募企業への進捗管理や連絡を行ってくれるため、個人で行うよりも就活がスムーズに進みやすくなるでしょう。

現在の勤め先でリモートワークが可能か相談してみる

今までのキャリアを失いたくないという気持ちが強ければ、現在の勤め先に海外でのリモートワークを打診してみるのもよいでしょう。現代ではインターネットの普及とともに、海外にいながらにして日本の仕事を請け負える在宅ワークという働き方が可能になっています。
リモートワークは優秀な人材の確保や作業の効率化を図れるという点において、企業も注目している働き方です。IT企業などを中心にリモートワークを導入する企業も増えつつあります。
勤め先の業種や社風によるところは大きいですが、退職を決断する前にリモートワークについて相談してみるのも1つの手段でしょう。

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駐在員の妻が現地で就職するためにおすすめの資格やスキル

必要となる資格やスキルは、希望する職種や働き方によって異なります。一概にいうことはできませんが、習得しておくと就職の役に立つスキルや資格をいくつかまとめました。

英語

海外で仕事をするのであれば、英語を習得しておいて損はないでしょう。
英語は公用語として世界各国で広く用いられています。IELTSやTOEFLは、海外留学などで英語力の判断材料とされるケースもある資格です。海外で認識されやすいため、これらのスコアを取得しておくとよいでしょう。TOEICは日系企業の就職に有利に働くことが多いようです。英検は日本独自の資格なため、海外での認知度は低いのが現状だといえます。

経理や会計に関する資格やスキル

日系企業による現地採用を狙うならMOSや日商簿記、ビジネス会計検定といった経理や会計に活かせる資格がおすすめです。これらの資格やスキルは業種の区別なく重宝されるため、現地での就職の後押しになるでしょう。また会計などはクラウドソーシング化されつつあるため、在宅ワークで役立つ場合もあります。資格を掲示することでクライアントの信頼を得やすくなり、仕事の受注などがスムーズに運ぶ可能性も高まるのではないでしょうか。

IT関係の資格やスキル

IT系の仕事は現地就職や在宅ワークの垣根なしに需要度が高い職種の1つです。IT分野で働くなら、基本情報技術者やネットワークスペシャリスト、ITパスポートといった資格の取得をおすすめします。プログラミング言語のスキルもあわせて身につけておくと良いでしょう。

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駐在員の妻はメキシコで仕事ができる?

では実際にメキシコで駐在員の妻が仕事に就くことは可能なのでしょうか。気になるポイントを2つ確認しておきましょう。

「同居家族」の就労は認められていない!

メキシコには、帯同ビザはありません。帯同家族はメキシコに入国後、180日以上滞在する人のための在留カード「TRT(Tarjeta de residente temporal estudiante)」を「同居家族」の枠で取得します。この同居家族のための在留カードを通称として帯同ビザと呼ぶこともあるようです。
しかし、メキシコでは在留カードだけで働くことはできません。メキシコで報酬を得る場合、就労ビザの発行が必要です。どうしても働きたい場合は、就労ビザに切り替える手続きを行うことになるでしょう。

駐在妻が働くなら「現地採用」だけど…

駐在妻が現地で仕事をする場合は、夫のような駐在員としてではなく現地企業に直接雇用される「現地採用」になるでしょう。現地採用の待遇は、メキシコの人と同等です。駐在員が受けているような福利厚生はほとんどありません。自己負担になる部分が増え、あまり稼ぎにならないという事態も考えられます。
このほか、駐在期間が終われば妻も帰国してしまうことから、短期間しか働けない駐在妻は避けるという現地企業もあるようです。

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一見華やかに見える駐在妻。しかし駐在妻には悩みが多く、現地就職を一人でおこなうのも大変でしょう。
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