メキシコで日本語教師になるには？必要な手順や求人の探し方を紹介

このページのまとめ

• メキシコはスペイン語圏のなかでも特に日本語教育が盛んな国
• 日本語教師になるには必要な資格はないが、一定の基準は満たす必要がある
• メキシコの日本語教師の仕事は、養成講座の求人やWebサイトで探す
• 休日は学校により異なるが、長期休暇でプライベートが充実しやすい
• 生徒が成長する喜びや異文化の体験、スペイン語が身に付くのが仕事のやりがい

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メキシコ文化に興味のある人やスペイン語が話せる人のなかには、「メキシコで日本語教師をしてみたい」と考える人もいるのではないでしょうか。メキシコでは日本語を学ぶ人が増えており、日本語学校や大学などが日本語教師の求人を出しています。

このコラムでは、メキシコで日本語教師として働く方法を解説。また、仕事の探し方も紹介します。内容を参考にして、海外就労の目標を叶えましょう。

メキシコで日本語教師の需要はある？

メキシコは日本語教育がスペイン語圏で最も盛んな国なので、日本語教師の需要は一定数あります。

ここでは、メキシコの日本語教育の歴史や現在の状況を解説するので、日本語教師を目指している人は参考にしてください。

メキシコでの日本語教育の歴史は古く、1906年（明治39年）に国内最初の日本語教育機関、アウロラ小学校が設立されたのがその始まりです。

小学校を設立したのは1897年にメキシコチアパス州に渡った榎本殖民団の参加者の一人。殖民団は「日本の発展には殖民が必要」と考えた榎本武揚氏が推進したもので、コーヒー栽培を目的にメキシコに渡った経緯があります。

その後メキシコでは大学に日本学科が置かれたり、1981年には現在まで続くメキシコ日本語弁論大会の第一回目が開催されたりと、日本語教育が普及していったのです。

日本人移民の子孫への継承が目的で始まった日本語教育は、昨今ではメキシコ人に対する「外国語としての教育」へと代わってきています。現在では日本語学校や大学、一般に開放されている大学の言語センターなどで、日本語が教えられています。

メキシコはスペイン語圏で最も学習者が多い国といわれています。2021年9月～2022年6月の国際交流基金の調査によると、メキシコの教育機関数は139ヶ所、日本語教師は612人、学習者数は1万4,552人でした。この数字はスペイン語圏では群を抜いて多い数字です。

メキシコで日本語学習者が多いのは、前述した歴史的な日本との繋がりの深さに加え、日本企業が多いのも関係しています。メキシコのグアナファト州には、2010年代から日本の大手自働車関連企業が進出しました。そのため、仕事のために日本語を学ぶ人や日本語を教える人、日本語学校が増加しているのだと考えられます。

近年目立っているのは、日本文化に興味のある若年層が日本語を学び始めるケースです。特にアニメや漫画、ゲームといったコンテンツに人気があり、日本のアニメが劇場公開されれば観客動員数が100万人を突破するほど。

これらのカルチャーをきっかけに「日本語を学びたい」と思う若者が増えてきています。

参照元 国際交流基金「メキシコ（2022年度）」

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メキシコで日本語教師として働くのに必要な資格

日本語教師は学校教員と違い、特別な免許は必要ありません。ただ、採用時には以下の3つが基準として考えられることが多く、いずれか1つ、できれば2つ以上の条件を満たすと就職がスムーズになります。

なお、日本では2024年4月から認定日本語教育機関で教えるための「登録日本語教員」という国家資格が作られました。今後、海外で日本語を教える際も、国家資格を取得していることが採用の一つの基準となる可能性があります。メキシコで日本語教師を目指す人は、まず日本で日本語教員の国家資格を取得するのも良いでしょう。

「日本語教育能力検定試験」は、日本語教育を行うのに必要な知識を備えているかを証明する試験です。大学の日本語教員養成副専攻課程修了者のレベルが想定されています。

国家資格ではありませんが、国内の日本語学校や企業、海外の多くの日本語教師の求人で採用条件の一つとして明記されている資格です。

試験は「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」からランダムで出題されます。

合格率は30%前後と難易度が高いものの、独学での受験も可能です。

2024年4月に国家資格「登録日本語教員」ができるまでは、日本語教師養成講座の420時間コースを修了することが、国内で日本語教師になる最も一般的な方法でした。そのため、海外の日本語教師の求人でも条件としているところが多くあります。

日本語教師養成講座は、日本語教師に必要な知識や授業方法を、座学と実習を通して学べる講座です。

全国のさまざまなスクールで講座が開かれており、eラーニングと実技の併用、またはスクーリングなどの学習方法が選べます。

メキシコで日本語教師になるために資格は必要ないとはいえ、職業の性質上大学を卒業していたほうが信頼度が高まります。特に、日本語教育を主専攻、もしくは副専攻として学んでいると有利でしょう。

メキシコの日本語教育機関では、専門教育を受けた日本語教師は多くないため、大学で専攻して学士を得た実績があると重宝されます。

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メキシコで日本語教師の求人を探す方法

ここでは、メキシコで日本語教師の求人を探す方法を紹介します。

日本語教師の養成講座を開講している民間スクールのなかには、講座修了後の就職支援を行っているところもあります。日本国内だけでなく、海外の日本語学校の求人を斡旋しているスクールもあるようです。

メキシコの求人は母数が少ないので丁度良い時期に応募できるとは限りませんが、目を通す価値はあるでしょう。

外国語教師を募集するWebサイトを検索し、求人を探す方法もあります。日本語でも求人を探せますが、スペイン語で検索するとよりスムーズです。

自分で求人を探す際は、先方とのやり取りもスペイン語になるので、重要な内容を見逃さないように注意しましょう。

日本語教師養成講座や大学などで学ぶ過程で知り合った人に紹介してもらうのは、信頼できる方法といえるでしょう。また、スペイン語を話せる方やメキシコにツテがある方は、メキシコ人の友人や知り合いに仕事を斡旋してもらう手段もあります。

メキシコで個人で日本語を教える場合、FacebookやPleplyを使うのが効果的です。

メキシコではFacebookがビジネスツールとして活用されています。地域のコミュニティに「日本語を学びたい生徒募集」と投稿したら受講希望者と巡り合える可能性があるでしょう。

Pleply（プレプリ―）は、オンラインで言語を教える教師と生徒を繋げるプラットフォームです。AIによるプロフィールの審査があり、通過すれば生徒とマッチングできます。

なお、注意点として現地でフリーランスのオンライン日本語教師として就労ビザを取得するのは難しいでしょう。

企業に勤めつつ掛け持ちでオンライン講師をするか、永住権を取得してからフリーランスとして働くかのどちらかになります。

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メキシコで日本語教師が働く場所

メキシコで日本語教師が働く場所は、日本語学校がメインです。このほかに、大学やオンライン講師として自宅で働くケースもあります。

メキシコの日本語教師の多くは、民間の日本語学校で勤務しています。首都のメキシコシティや日本企業が進出しているアグアスカリエンテス州には多くの日本企業があり、日本語教師の需要も高いようです。

なお、日本語学校の教師は非常勤講師での雇用が多く、通訳やオンライン講師を掛け持ちしている人も多くいます。

メキシコに日本語学科のある大学はほとんどありません。しかし、選択科目として日本語講座のある大学は増えてきています。大学講師だとビザの審査も通りやすく、職業として安定もしているため、長く働きたいと思っている人におすすめです。

オンラインでの日本語教師の需要は年々高まっています。口コミで評判になり生徒が集まれば、日本語学校に勤めるより多くの給料を得られることも。ただし、収入が不安定になりやすいので、始めるのはメキシコでの生活が軌道に乗ってから行うほうが良いでしょう。

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メキシコで日本語教師として働く給料はどのくらい？

日本語教師の給与は日系企業で働くのとは違い、現地基準の給与であることが多くなります。目安としては、月給は1万ペソ（7万円弱）、時給にすると100～200ペソ（700～1400円）ほど（です（1ペソ7円計算）。

勤務時間や持っているクラスの数、働く先が都会か地方かによって給与額は変わってきますが、充分な貯金をするのは難しいと考えた方が良いかもしれません。

基本的にメキシコは物価が安いので月1万ぺソあれば生活できますが、病気や怪我をした際の医療費や帰国時の費用として、渡航前にいくらか準備をしておくと安心です。

メキシコでの日本語教師の仕事は決して給与が高いとはいえないので、仕事を通して得られる喜び、海外で貴重な経験ができる点をやりがいにしている人が多くなります。給与というより、海外で働きたい、現地の人に日本語を教えたいという熱意が、仕事のモチベーションになるでしょう。

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メキシコの日本語教師の休日

メキシコの企業や学校は土日休みが原則ですが、日本語学校は日曜のみ休み、金曜と日曜の週2日が休みであるなど、学校ごとに休日事情が異なります。企業や学校の休日にあたる土曜のクラスは、生徒が増える分一週間で一番忙しいというケースも珍しくありません。

メキシコでは年に1回日本語弁論大会や日本語能力試験があり、その際には休日出勤もあります。そのほか、先生たち同士で行う勉強会が休日に開かれることもあるようです。

常勤の日本語教師は仕事がある日は忙しく働きますが、1年に何度か長い休暇が取れます。メキシコには夏休みやクリスマスから年末年始にかけての休み、4月のセマナサンタ（復活祭、聖週間）などがあり、その時には自分の時間をたっぷり持てるでしょう。非常勤の日本語教師には、休暇中にアルバイトをする人もいるようです。

メキシコシティは美術館や博物館、図書館、日本食スーパーなどあらゆる施設が充実しているので、勤め先が市内にあるなら、少し出かけるだけでさまざまな体験ができます。

休日の過ごし方は人それぞれですが、日帰りで行ける観光地を訪ねるなど、メキシコ暮らしを満喫しようと活動する人が多いようです。

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メキシコの日本語教師のやりがいとは

メキシコで働くと、日本で日本語教師をするのとはまた違った楽しさや達成感を感じられるでしょう。ここでは、メキシコ現地で日本語を教える際のやりがいを紹介します。

働きながらスペイン語を身に付けられるのは大きなやりがいの一つです。生徒とのやり取りやメキシコでの生活を通して、自然なネイティブニュアンスのスペイン語を身に付けられます。

メキシコで日本語教師として働くのに、スペイン語能力は必須ではないといわれていますが、やはりスムーズに話せたほうが働きやすくなるでしょう。

スペイン語は世界で5億人近くの人が使う言語です。その割には日本人の学習者が少ないため、スぺイン語を身に付ければ新たなビジネスチャンスやキャリアアップに繋がります。

日本語教師にとって、生徒が日本語を話せるようになっていく過程に立ち会えるのは大きなやりがいといえます。メキシコで自ら日本語を学ぼうとする人達は、総じて勉強熱心です。

始めは全く日本語を理解できなかった生徒がひらがなを覚え、日本語の教科書を読み、日本語で会話できるようになっていく様子を見るのは、日本語教師の醍醐味でしょう。

現地で日本語教師として働くことで、直接メキシコの文化に触れられます。メキシコでの就労を選んだ人のなかには、メキシコの食文化や建造物、または雰囲気に興味のある人もいるでしょう。日本にいたら見られないような景色や食べ物と出会い、さまざまな経験ができるのも、海外就労の大きなやりがいといえます。

メキシコの基本データ

メキシコで日本語教師として働くにあたり、歴史や気候などの情報を知っておきましょう。

古代メキシコではマヤ文明やアステカ文明、テオティワカン文明などが栄えました。現在でも当時作られたピラミッドなどの遺跡を見ることができます。

1519年にスペイン人の入植があり、1821年に独立するまではスペイン領でした。メキシコで主にスペイン語が話されているのはこのためです。メキシコシティやプレブラには、スペイン統治時代に作られた中世ヨーロッパの街並みが今でも残っています。

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メキシコの国土面積は約196万㎢で、日本の約5倍の広さがあります。その国土の大部分が高現地にあり、首都であるメキシコシティの標高は2,240mです。富士山5合目にいるのと同じなので、体が慣れるまでは軽度の高山病に注意しましょう。

メキシコには四季がなく、1年を通してあまり気温が変わりません。夏でも30℃前後と比較的過ごしやすい暑さです。5～10月が雨季、11月～4月が乾季ですが、空気は年間を通して乾燥しています。

メキシコでは人口の80%近くの人がカトリック教徒です。そのため、カトリックで重要とされている日には各地でイベントが行われます。

特に「聖母グアダルーペ」が出現したとされる12月12日には、各地で巡礼やお祝いを行うのが恒例です。

グアダルーペはイエス・キリストの母である聖母の名前。ヨーロッパではマリアが信仰されていますが、メキシコを始めとしたラテンアメリカでは、黒髪で褐色の肌のグアダルーペが聖母として広く信仰されています。

メキシコで特に有名な観光地といえば、カンクンビーチです。青い海と砂浜の美しさに魅力され、世界各国から観光客が訪れています。

メキシコといえば遺跡も外せません。世界で3番目に大きいテオティワカンの「太陽のピラミッド」や、世界遺産であるチチェン・イッツァの「エル・カスティージョ」は一見の価値があります。

フォトジェニックな写真を撮りたいのなら、グアナファトの「ピピラの丘」に登るのがおすすめです。スペイン植民地時代のカラフルで美しい建造物が一望できます。

メキシコで最も美しいといわれるグアナファトは、1988年に「グアナフアト歴史地区とその銀鉱群」として世界遺産に登録されました。

日本語教師として働きながら、休日に有名な観光地に訪れてみるのも良いでしょう。

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