このページのまとめ
- 日本の非居住者はiDeCo加入者の資格を失う
- しかし、iDeCoは途中解約できないので、既存の積立資産について運用だけしていく
- 「国民年金に任意加入する」「海外赴任で厚生年金に加入している」場合、iDeCoを継続できる
- NISA口座は、日本の非居住者になると、原則閉鎖・解約しなければならない
- 最長5年の海外赴任なら、NISA口座を維持できる
海外移住の予定がある方に向け、既存の「NISA」「iDeCo」がどうなるかについて解説します。iDeCoの継続、NISA口座の維持をするには方法があるので、このコラムで確認しておきましょう。
また、本コラムを提供するレバレジーズキャリアメキシコでは、日本語話者の方のメキシコでの就職をサポートしています。海外で働くにあたって、メキシコも視野に入れている方は、ぜひご相談ください。
海外移住をしたらiDeCoはどうなる?
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、国民年金や厚生年金とは別に、自分で老後資金を積み立てる私的年金制度です。加入は任意で、20歳以上65歳未満の公的年金の被保険者が加入できます。
ここでは、海外移住をする場合のiDeCoの扱いについて解説するので、海外移住をする予定の人はぜひ参考にしてください。なお、海外移住についての規約や手続き方法は金融機関によって異なるので、手続きをする前に利用中の金融機関に確認するようにしましょう。
非居住者になるとiDeCo加入者の資格を失う
海外移住をして日本の非居住者になると、iDeCo加入者の資格を喪失します。iDeCoの掛金を拠出したり、また、新規で契約したりすることはできなくなります。
ただし、iDeCoは原則、途中解約ができません。そのため、既存の積立資産については「運用指図者」として運用のみを続けていくことになります。
国民年金に任意加入すればiDeCoを継続できる
日本の非居住者になると、国民年金の加入義務がなくなりますが、任意加入をすることはできます。国民年金に任意加入すれば、日本の非居住者になってもiDeCoの掛金の拠出を継続することが可能です。また、iDeCoに新規で加入することもできます。
海外赴任の場合もiDeCoを継続できる
日本の企業に在籍しながら海外赴任をする人は、日本の厚生年金に加入している状態が続きます。このケースでは、iDeCoはこれまで通り、掛け金を拠出したり、運用したりすることが可能です。
また、海外赴任に帯同する配偶者も同様に、国民年金の第3号被保険者なら、iDeCoの掛け金拠出や運用を続けることができます。
ただし、派遣期間が5年を超える場合は注意が必要です。
社会保障協定を結んでいる国では、5年以内の海外赴任なら相手国の制度に加入する必要がありません。しかし、派遣期間が5年を超える場合は、相手国の制度にのみ加入し、日本の年金制度から外れることになります。そのため、国民年金に任意加入しない限り、iDeCoの掛金を拠出できなくなります。
参照元
iDeCo公式サイト「iDeCo(イデコ)の加入資格・掛金・受取方法等」
◆関連記事
海外赴任前の住民票に関する手続きを解説。年金・保険の扱いはどうなる?
海外移住をしたらNISAはどうなる?
NISA(少額投資非課税制度)は、NISA口座で投資した金融商品から得られる利益が非課税になる制度です。通常、金融商品から得られる収益には、約20%の税金が課されます。一方、投資額に上限はあるものの、NISA口座で投資した場合は運用益が非課税になります。
ここでは、海外移住をする場合のNISAの扱いについて解説するので、海外移住をする予定の人はぜひ参考にしてください。
非居住者になるとNISA口座は原則解約する必要がある
NISA口座は、日本の非居住者になると、原則、閉鎖・解約するのがルールです。NISA口座の資産については、すべて課税口座に移管する必要があります。
ただし、海外移住の際は証券口座自体も解約が必要になる場合が多いため、注意が必要です。
制度上「5年以内の海外赴任」ならNISA口座を維持できる
最長5年の海外赴任であれば、NISA口座の資産を維持することができます。
かつては海外赴任の際も、NISA口座の資産をすべて課税口座に移す必要がありました。しかし、2019年の税制改正により、出国の前までに「非課税口座継続適用届出書」を証券会社に提出することで、NISA口座の資産を維持できるようになりました。
ただし、NISA口座の維持が認められるのは、企業から転勤を命じられるなど、やむを得ない理由がある場合のみ。個人的な理由で海外移住をする場合は、維持することができません。
海外赴任に関する対応は金融機関によって異なる
海外赴任中もNISA口座を保有できるかどうか、具体的な対応は金融機関によって異なります。そのため、海外赴任が決まったら、早めに金融機関に確認しておきましょう。
NISA口座の継続ができない場合、NISA口座の資産は、売却や課税口座への払い出しなどが必要になります。また、NISA口座自体を、海外でも保有できる別の金融機関に変更することも可能です。ただし、保有している商品は移管できないので、一度売却して新しいNISA口座で買い戻す必要があります。
NISA口座の維持には、出国前と帰国後の手続きが必要
NISA口座を帰国後も利用できるように残しておくには、出国前と帰国後に手続きをする必要があります。出国の前日までに「非課税口座継続適用届出書」を、帰国後には「帰国届出書」を、NISA口座を開設している金融機関に提出しましょう。
特に帰国後の手続きは必須です。手続きをしないまま5年後の12月31日を過ぎてしまうと、NISA口座は廃止され、資産が課税口座に払い出されてしまいます。手続きを忘れないよう注意しましょう。
出国中に新規投資や新規開設はできない
NISA口座を保有できる場合でも、海外出国中は新規の投資をすることはできません。積立投資も、新規のつみたてはされません。NISA口座内の株も売却できない場合があります。
また、NISA口座の開設をするには、日本在住が条件とされているため、海外に住んでいる人はNISA口座を新規に開設することはできません。
非居住者の証券口座はそのままにしておくとバレる
海外移住の際「バレないだろう」と、手続きをせずにNISA口座をそのままにしておくことは避けましょう。1年以上海外で暮らす人は住民票を抜く必要があり、住民票がないことはほぼ確実に証券会社にバレます。
非居住者であることが判明した時点で、NISA口座廃止などのリスクがあります。また、非居住者として証券口座で取引をすると、相手国の法律に抵触する可能性もあります。そのため、海外移住の際は、金融機関に具体的な手続き方法を確認し、適切に手続きを行うようにしましょう。
◆関連記事
海外移住をしたら銀行口座はどうなる?各銀行の非居住者向けサービスを紹介
メキシコでの就職・転職を目指すのであれば、Leverages Career Mexico(レバレジーズキャリアメキシコ)にご相談ください。
経験豊富な日本人アドバイザーがあなたの適性に合った企業をご紹介します。また、応募書類の添削や面接対策、入社後のアフターフォローまでサポートしていますので、初めて海外へ就職する方でも安心です。
海外就労を志す方からのご連絡を、広くお待ちしています。
メキシコの就職、生活事情に詳しい
アドバイザーがあなたをサポートします
海外経験がない方も全面バックアップ!