このページのまとめ
- 永住権は、国籍を変えずに無期限で滞在することができる滞在資格のこと
- 永住権の種類や取得するための条件は国によって異なる
- おすすめの移住先は、タイやフィリピン、カナダ、オランダなど
- 移住先を決めるにはビザの取りやすさや気候、治安、言語などに注目すると良い
- 海外移住が実現しやすい仕事は、日本語教師やツアーガイド、ITエンジニアなどがある
海外移住を検討している方に向け、永住権が取りやすい国や日本人が暮らしやすい国について紹介します。各国の永住権取得の条件について解説するので、海外暮らしをしたい方はぜひ参考にしてください。
また、本コラムを提供するレバレジーズキャリアメキシコでは、日本語話者の方のメキシコでの就職をサポートしています。海外で働くにあたって、メキシコも視野に入れている方は、ぜひご相談ください。
永住権とは?
永住権とは、国籍を変えずに無期限で滞在することができる資格です。一般的なビザには滞在期限がありますが、永住権を取得すれば期間の制限なく滞在できるようになります。出入国も自由です。また、その国の国民とほぼ同様の権利が得られるところもメリット。就労もほとんど自由に行えるので、さまざまな仕事が経験できます。
永住権の種類や取得するための条件は国によって異なります。ただし、通常は「一定期間その国に滞在していること」が主な条件となっている場合が多いです。そのため、永住権を取得したい場合は、先に就労ビザなどの取得を目指すパターンが主流となっています。
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海外移住におすすめの永住権が取りやすい国7選
ここでは、海外移住におすすめの永住権が取りやすい国について紹介します。
1.タイ
アジア屈指の親日国であるタイは、多くの日本人が暮らしている国です。日本人街があり、日本語の通じる病院や日本食レストランもあるため、日本人にとって過ごしやすい環境が整っています。また、仏教徒が多いところや主食が米であるところなど、文化的に日本に近いところも魅力です。物価が安い国でもあるため、日本と同じ水準の収入があれば、余裕のある暮らしができるでしょう。
タイ:永住権を取得するための条件
タイの永住権は、就労者・配偶者・投資家・技能者のカテゴリに該当する人が申請できます。それぞれ詳細条件は異なりますが、共通して以下の条件が求められます。
- 1年の滞在許可を3年以上受けていること
- 日常会話レベルのタイ語が話せること
- 過去に犯罪歴がないこと
なお、タイの永住権は、年間100人までという制限があります。申請しても必ず取得できるわけではないので注意しましょう。通常、取得には1~3年ほどかかるとされています。
タイ:就労ビザを取得するための条件
タイの最も一般的な就労ビザは「ノンイミグラントBビザ(就労・ワーキング)」です。取得するには、基本月収50,000バーツ以上が条件とされています。学歴や実務経験に関する条件がないので、申請のハードルは低いといえるでしょう。
2.フィリピン
フィリピンは東南アジアのなかでも特に日本に近い国です。3~4時間ほどのフライトでアクセスできるため、気軽に行き来ができます。気候は温暖で物価も安いため、日本人が暮らすには適した環境といえるでしょう。また、セブ島の英語留学で知られるように、基本的にどこでも英語が通じる国なので、コミュニケーションするのも簡単です。
フィリピン:永住権を取得するための条件
フィリピンの永住権で人気が高いのは「SRRV」です。SRRVは、50歳以上から申請できるリタイアメントビザで、フィリピンの銀行に一定の預金額(通常2万USドル)があることが主な取得条件とされています。預金と数週間の滞在で取得できるので、比較的取りやすい永住権といえるでしょう。
50歳以下の方が移住する場合は、20歳以上から申請できる「特別割当移住査証(クオータービザ)」もあります。ただし、こちらは取得の難易度が高め。人数制限があり、国ごとに年間50人までしか取得できません。なお、条件として5万USドルの預金が必要ですが、ビザを取得すれば預金は自由に引き出すことができます。
フィリピン:就労ビザを取得するための条件
フィリピンの就労ビザで最も一般的なのは「9Gビザ」です。取得するには、仕事内容がフィリピン人では難しい内容であること、また、フィリピンの国益に貢献する内容であることが認められなければなりません。そのため、就労ビザを申請する際は、仕事が条件を満たしていることの説明書を提出する必要があります。一方、学歴や職務経歴に関する条件はないので、取得は比較的容易です。新卒からでも海外就職を実現できます。
3.マレーシア
治安が良く、物価も安いマレーシアは日本人の移住先として人気の国の一つです。公用語はマレー語ですが、都市部では英語が通じるのでコミュニケーションしやすいでしょう。常夏の国として知られるマレーシアは日中こそ30℃程度になりますが、朝晩は涼しいため快適に過ごせます。
以前は「MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)」という長期滞在ビザを利用した移住が人気でしたが、条件が厳しくなったことで取得が難しくなっています。
マレーシア:永住権を取得するための条件
マレーシアの永住権を取得するには、連続して5年以上マレーシアに居住していることが主な条件とされます。申請できるのは、マレーシア国籍の人の配偶者や所定額以上の納税をした人です。
マレーシア:就労ビザを取得するための条件
マレーシアの最も一般的な就労ビザは「雇用パス(EP)」です。取得するには、基本月収5,000リンギット以上が条件とされています。また、学歴や実務経験が必要で、基本的には大卒以上の学歴+3年以上の実務経験が求められる傾向にあります。
4.カナダ
語学留学先として人気のカナダは移住にも適した国です。広大な土地と豊かな自然が魅力で、街に住んでいても少し足を伸ばせば大自然が体感できます。仕事よりプライベートを大切にする価値観や、外国人に寛容な国民性が特徴の国なので、さまざまな面でストレスなく生活できる環境があります。
カナダは多民族国家です。国土が広いわりに人口が少なく、労働力が足りないため移民の受け入れを積極的に行っています。そのため、永住権の取得も比較的容易です。
カナダ:永住権を取得するための条件
カナダには、多数の永住権プログラムがあります。なかでも「フェデラルスキルドワーカー」や「カナディアンエクスペリエンスクラス」など、仕事の経験・スキルを活かして応募する労働者用の永住権が人気です。申請条件はプログラムごとに異なり、それぞれ学歴や職歴、語学力などが求められます。
なお、労働者用の永住権は、基本的に「エクスプレスエントリー」を通して申請します。エクスプレスエントリーは、申請者のプロフィールに点数を付け、高スコアの人から申請権を与えるシステム。このシステムにより、カナダで成功しやすい人が優先的に評価される仕組みとなっています。
カナダ:就労ビザを取得するための条件
カナダの就労ビザは、カナダ人の労働の機会を奪わないことが取得の条件とされています。また、カナダ人では難しいような特別な仕事のスキルを持っていることを証明しなければなりません。そのため、高い専門性を持っていることや、カナダ国内で求められている仕事のスキルがあることを証明する必要があります。
5.オーストラリア
オーストラリアは温暖な気候や豊かな自然が魅力の国です。治安が良く、労働環境も整っているため日本人が暮らすのに適しています。南半球にある国なので四季は日本と逆ですが、時差は1時間程度なので日本にいる家族や友人と連絡を取るのも不便しません。
オーストラリア:永住権を取得するための条件
オーストラリアの永住権取得において重要なのが、職種選びです。オーストラリアは自国で必要としている職種について「職業リスト」を作成しており、リストの職業に就くことで永住権取得が目指せます。そのため、基本的にリストにある職業を目指すのがオーストラリア移住の第一歩といえます。
オーストラリア:就労ビザを取得するための条件
オーストラリアの就労ビザで最も一般的なのは「TSSビザ」です。TSSビザは、職業リストにある仕事に就く場合、雇用主がスポンサーとなることで申請できます。取得するには、申請する仕事に関する2年以上の実務経験やIELTSのスコアが必要とされます。
6.オランダ
オランダはヨーロッパのなかでも特に移住先として人気の高い国です。充実した社会保障制度や整備された労働環境が魅力で、高い生活水準が保たれています。公用語はオランダ語ですが、英語を話せる人が多いためコミュニケーションにも不便しません。ヨーロッパ諸国と陸続きなので、車や電車で気軽にヨーロッパ旅行ができるところもメリットといえます。
オランダ:永住権を取得するための条件
オランダで申請できる永住権は、オランダの永住権とEUの永住権があります。違いはいくつかありますが、申請条件はほぼ同じ。連続して5年間オランダに住んでいることや、収入要件、居住許可の保持などが条件です。
オランダ:就労ビザを取得するための条件
オランダで働くには、滞在許可と労働許可を取得する必要があります。最も一般的な労働許可は「知的労働者(highly-skilled migrant)」。取得するには、受け入れ先企業が入国管理局に認定スポンサーとして登録されており、給与条件を満たしていることが条件となります。
オランダ移住で見逃せないのが、オランダのフリーランスビザ(個人事業主ビザ)の存在。「日蘭通商航海条約」によって、日本は最恵国待遇を受けているため、非常に緩い条件でビザ取得が実現します。
7.メキシコ
マヤの古代遺跡やメキシコ料理で有名なメキシコは、日系企業の進出が盛んな国です。日本人向けの求人も多く、日本人移住者も大勢います。物価が安く、暖かい気候のメキシコは、移住先に適した環境。親日家が多いことや、大らかな性格の人が多いこともあり、プレッシャーをあまり感じずに生活できるところもメリットです。治安事情には不安があるものの、日本人移住者の多い安全なエリアを選べば、心配ありません。
メキシコ:永住権を取得するための条件
メキシコの永住権申請の方法は主に二つ。「配偶者ビザで2年間滞在」もしくは「一時滞在許可証(就労ビザなど)で4年間滞在」の2パターンがメジャーです。基本的に条件は緩く、比較的容易に永住権が取得できます。
メキシコ:就労ビザを取得するための条件
メキシコで働くには「一時居住者用査証(現地で報酬を得る場合)」を取得する必要があります。取得するには、就職先が決まっていることが条件とされます。学歴や実務経験に関する要件がないので、新卒や未経験からでも働きやすい国といえるでしょう。
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日本人が移住しやすい国の特徴8選
海外移住は、海外旅行とは違います。オフシーズン中の生活や、ローカルな生活にも慣れなければなりません。
1.治安が良い
移住先を選ぶ際は、治安が良い国を選びましょう。日本は治安が良い国なので、治安の悪い地域を選んでしまうと、安全意識の違いから犯罪の被害に遭うリスクが高くなってしまいます。外務省「海外安全ホームページ」などで最新の治安事情をチェックしましょう。
2.食事が合う
海外には日本とは異なる食文化があります。現地の食事に馴染めないと、ストレスの原因になってしまうでしょう。旅行やお取り寄せなどで現地の食事を食べてみて、自分の舌に合うかチェックすることをおすすめします。また、日本食レストランや日本の食材を扱うスーパーが近くにあるかも調べておくといいでしょう。
3.ビザが取得しやすい
海外移住をするには、ビザや永住権が必要です。ビザは国ごとにさまざまな種類があり、取得条件もそれぞれ異なります。ビザが取りやすい国なら、海外移住もしやすいでしょう。
4.言葉が通じる
短期旅行なら身振り手振りでコミュニケーションすることもできますが、移住をするなら語学力はほぼ必須といえます。英語や中国語、スペイン語など、外国語のスキルがある人は、言葉が通じる地域を選ぶと移住のハードルが低くなるでしょう。
5.仕事がある
十分な貯蓄がある人以外は、移住先でも仕事を見つける必要があります。安定した収入の仕事があるか、移住前に調べておきましょう。
6.医療・介護体制が充実している
日本は医療体制が充実した国です。少ない費用で最先端の医療を受けることができます。一方、海外は、医療水準が低い国や医療費が高額になる国も多いです。医療体制や介護体制について調べ、安心して暮らせるかどうかチェックしておきましょう。
7.インフラが整っている
日本はインフラが整った便利な国ですが、海外はインフラが整っていない地域も少なくありません。電気の供給が不安定だったり、水道水がきれいでなかったりすることもあります。インフラは、利便性や安全に直結するポイントなので、なるべくインフラが整った国を選ぶことをおすすめします。
8.宗教観を受け入れられる
海外には、宗教の考え方が生活に根付いている地域がたくさんあります。食べ物や服装など、身近なものにも気を配らなければならない場合もあるでしょう。その国の宗教を信仰していなくても、現地の人が信じているものをないがしろにはできません。現地の宗教観を受け入れられるかどうかもチェックしましょう。
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就労ビザを取得して海外移住をする方法
ここでは、海外移住の大まかな手順について解説します。準備の流れを理解したうえで海外移住の手続きを進めましょう。
1.相手国の企業から内定をもらう
就労ビザを取得するには、相手国の企業から内定をもらっていることが前提となります。就労ビザの審査では、仕事内容や雇用条件などがチェックされます。そのため、就労ビザを申請する際は、仕事が決まっている必要があるのです。
なお、外国人を受け入れる企業は、内定を出すにあたって、外国人が就労ビザの要件を満たしているかどうかを確認します。つまり、内定をもらったら、その国の就労ビザの条件を満たしていると考えていいでしょう。
2..必要書類を集める
就労ビザの申請に必要な書類を集めましょう。職務経歴書など、内定が出る前から用意できる書類もあるので、早めに集めておくことをおすすめします。
3.就労ビザの申請をする
必要書類が揃ったら、就労ビザの申請をしましょう。申請先は、各国の大使館・領事館です。自分で申請する以外にも、内定先の企業が申請を代行してくれる場合もあるので、事前に確認しましょう。
なお、一部地域では、自国内でのみ申請を受け付けている場合があります。その場合は、渡航して現地で手続きをしなければなりません。
4..就労ビザの取得
申請が通れば、就労ビザが発給されます。発給までの期間は、数日~数か月と地域によってさまざま。審査には時間がかかることもあるので、スケジュールには余裕を持っておきましょう。
5.海外転出届の提出
1年以上海外に滞在する場合は、海外転出届を市町村の役場に提出しましょう。海外転出届を提出すると住民票が除票になり、国民年金や国民健康保険の支払い義務がなくなります。
6.賃貸の解約
賃貸物件に住んでいる人は、早めに退去連絡をしましょう。契約内容によりますが、退去する1ヶ月前までに連絡するのが一般的。連絡が遅くなると違約金をとられる可能性があるので、契約書を確認することをおすすめします。また、電気や水道、ガス、車に関する手続きも並行して行いましょう。
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海外移住が実現しやすい仕事
ここでは、海外移住が実現しやすい仕事について紹介します。日本人が働きやすい仕事をピックアップして紹介しているので、自身に合った仕事があるかチェックしてみましょう。
日本語教師
日本で働きたい人や、日本の文化に興味がある人など、日本語を学びたいという人は世界に大勢います。日本語教師は日本語を学びたい海外の人に日本語を教える仕事です。日本語のスキルが求められる仕事なので、日本人にはピッタリの仕事といえます。専門的な仕事なので、就労ビザの取得も比較的容易です。
海外で日本語教師として働く場合、資格は必須ではありません。ただし、日本語教師の資格があったほうが応募できる求人の幅が広がるでしょう。
日本食料理店のスタッフ・料理人
日本食料理店の従業員なら、日本人というだけでも採用される可能性があります。ホールスタッフは接客業ですが、基本的に決まったやり取りしかしないので語学力に自信がなくても就労可能です。また、料理人になるなら、調理師免許を持っていると就労ビザの取得に役立ちます。
日本人向けのツアーガイド
日本人観光客に現地の観光地の案内をする仕事です。基本的に日本語のみを使って働けるので、外国語のスキルはあまり必要とされません。また、日本人顧客からすれば同じ日本人のガイドのほうが安心して依頼できるため、日本人であることを強みに働ける仕事の一つといえます。ただし、ツアー中にトラブルが発生した際に地元の病院や警察に連絡を取れる程度の最低限の語学力は必要とされます。
保育士
日本人駐在員が多いエリアには、日系の保育園が複数設置されています。日系保育園の保育士なら、日本語を話す子供を相手にするため、語学スキルはあまり必要とされません。保育士は専門職扱いとなるので就労ビザが取りやすいところもメリットといえるでしょう。
留学エージェント
留学エージェントは、留学先の手配を代行する仕事です。そのコンサルタント職は、留学先との仲介や留学生のキャリア相談など留学全般のサポートを行います。留学エージェントになるのに必須の資格はありませんが、学位取得を目的とする留学の経験があると有利です。
通訳・翻訳
通訳・翻訳も海外で働ける仕事の一つです。企業に所属して日本企業との窓口役を担う働き方や、IT関係や医療関係など専門性の高い通訳をする働き方など、さまざまな働き方があります。通訳・翻訳になるのには必須の資格はありませんが、高い語学力があることを証明する必要があるため、海外でも通用する語学系資格を取得しておくと良いでしょう。
ITエンジニア
ITエンジニアは世界的に需要の高い仕事です。ITに関する知識は世界共通。そのため、日本で培ったスキルや経験を海外でそのまま活かすことができます。ITエンジニアは国によっては専門職として扱われるため、就労ビザが取りやすいところもメリットです。また、企業に所属する働き方のほかに、フリーランスのような自由度の高い働き方もできます。
コールセンター
人件費の安い国には、グローバル企業が巨大なコールセンターを設置しています。日系企業のコールセンターなら、日本人からの問い合わせに対応する仕事なので、語学力に自信がなくても就労可能です。海外での初めての仕事としてコールセンターを選ぶ人は多くいます。
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