このページのまとめ
- 老後の海外移住は、金銭的なメリットや温暖な気候で健康に暮らせるメリットがある
- 一方、生活の利便性が下がったり、医療体制が不十分だったりすることもある
- 老後、リタイアメントビザを取るのに決まった額の貯金が必要なことも
- 物価の安い国なら、移住費用な夫婦で50~80万円程度
- 物価の低い国なら、生活費は月に15万円程度
- 海外移住の際は、物価のほかにも気候や治安も重要なポイント
老後に海外移住したい方に向け、海外で生活するメリットや必要な貯金額について解説します。物価の低い国なら年金収入だけでも生活できますが、ビザの取得に貯金が必要な場合もあるため本コラムで確認してみましょう。
また、本コラムを提供するレバレジーズキャリアメキシコでは、日本人のメキシコでの就職をサポートしています。海外で働くにあたって、メキシコも視野に入れている方は、ぜひご相談ください。
老後に海外移住するメリット
老後に海外移住すると以下のようなメリットがあります。
生活費を抑えて余裕をもって暮らせる
「老後2000万円問題」という言葉があるように、年金が主な収入源となる老後生活には、数千万円の貯金が必要とされています。
物価の低い国に移住し生活費を抑えられれば、必要な老後資金も少なくできるでしょう。そのうえ、年金収入だけでも余裕のある暮らしをすることも可能です。
移住先として人気のタイを例に確認してみましょう。
シニア夫婦がタイで暮らすのにかかる生活費は、1ヶ月15万円程度が目安とされています。
総務省「家計調査年報 2020年」によると、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の生活費は1ヶ月22万4,390円とされているので、7万円ほど生活費を抑えることが可能です。
また、シニア夫婦の手取りは22万5,501円とされています。物価が低い国に移住すれば、余裕のある暮らしができるほか、貯金も可能です。
暖かく、住みやすい地域に移住して健康に暮らせる
老後移住で人気の国は、比較的温かい国が多いです。
寒暖差が少なく温暖な地域で生活すれば、健康を損なう心配も減るでしょう。
新しく第二の人生を始められる
定年後、新たな環境でいわゆる「第二の人生」を送りたいと考えている方も多いでしょう。海外移住すると、周りの環境すべてが新鮮に感じられるはずです。交友関係を新しく築いたり、生活スタイルを大きく変えたり、新しいことを始めたりもできます。海外生活を通して、自身の成長や変化を実感することもできるでしょう。
介護の心配が軽減されることも
日本には、介護士不足や老老介護といった介護問題があります。もしも将来的に介護が必要になったときに、すぐに介護を受けられなかったり、介護費用が高額になってしまったりすることもあるでしょう。
その点、東南アジアなど若い労働者が多い地域なら、日本の介護問題は解決します。介護スタッフを雇う費用も少ないので、安価で介護を受けることも可能でしょう。反面、医療・介護サービスの質や提供体制は、日本ほど充実していないこともあるので注意が必要です。
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老後に海外移住するデメリット
老後に海外移住するのにはデメリットもあります。
メリットとデメリットの両方を確認し、海外移住すべきかどうか検討しましょう。
物価は上がる可能性がある
物価の低い国なら、経済的に余裕のある生活をすることも可能です。ただし、物価は上昇するリスクがある点には注意が必要といえます。
東南アジア等、経済発展がめざましく物価が上昇傾向にある国もあるため、将来的に年金だけで余裕のある暮らしができなくなる可能性があることは想定しておきましょう。
日本より医療水準が下がる可能性もある
日本の医療サービスは世界的に見ても高水準です。海外では、日本と同水準の医療サービスが受けられない可能性が高いでしょう。また、医療保険制度が整っていない国では、医療費が高額になりがちです。生活費が安くても、高額な医療費で負担が増えてしまうリスクについても把握しておきましょう。
生活の利便性が下がることも
日本は欲しい物があれば、たいていすぐに買える環境があります。外食をするのも容易です。一方、海外はその限りではありません。品質の低い品物が売られていたり、日暮れには店が閉まってしまったりすることもあります。買い物や食事をするのに、不便さを感じる場面もあるでしょう。
ビザ取得に経済的な条件が設けられている場合もある
タイやマレーシア、オーストラリア、メキシコ等には、年金生活者向けの長期滞在用ビザ「リタイアメントビザ」があります。ただ、ビザを取得するには一定の預金額が条件になっていることもあるため注意が必要です。物価が低い国に移住する場合も、老後資金がないとビザの取得ができない可能性があります。
国によって異なりますが、移住先として人気の国のビザ取得の経済条件は以下のようになっています。
【タイ】ノンイミグラント-OA(ロングステイ)
- 年金受給が月額6.5万バーツ(約24.5万円)以上
- タイ国内銀行に80万バーツ(約300万円)以上の預金
- 年金と預金残高合算で80万バーツ(約300万円)以上
いずれかの条件をみたすことが必要。
【マレーシア】マレーシア・マイ・セカンドホーム(MM2H)
- 国外収入が月額4万リンギット(約120万円)以上
- 定期預金100万リンギット以上(約3,000万円)以上
150万リンギット(約4500万円)以上の流動資産の申告
【フィリピン】SRRV(特別居住退職者ビザ)
- フィリピン国内の金融機関に1万USD(約130万円)の預金
- 月額1,000USD(13万円)以上の年金給付
- フィリピン国内の金融機関に2万USD(約260万円)の預金
いずれかの条件をみたすことが必要。
なお、ビザ申請の条件が変更されたり、ビザ発給が停止していたりすることもあるため、大使館等で最新情報を確認しておくことをおすすめします。
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老後の海外移住に必要な貯金
前提として、リタイアメントビザの取得に経済的な条件が設けられている場合、条件を満たすだけの貯金が必要となります。
そのほか、移住にかかる費用は先進国で100万円、物価が安い国では30~50万円が相場とされています。
夫婦2人で移住する場合、先進国で150万円、物価が安い国で50~80万円ほどが相場です。
また、夫婦2人で物価の安い国に移住する場合、1ヶ月の生活費は約15万円が目安になります。一方、先進国への移住だと生活費は20~30万円程度となり、日本で暮らすのと同程度になります。先進国のなかでも都市部への移住だと、生活費はさらに高額になります。
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移住先を決める4つのポイント
海外移住で重視するポイントは人それぞれですが、移住先を決める際は以下のような点を踏まえると良いでしょう。
治安
移住先を選ぶ際、治安の良さは特に重要なポイントといえます。
同じ国でも地域によって治安の良さに差があることも多いため、外務省「海外安全ホームページ」等で調べておくと良いでしょう。
気候
暑い国や寒い国、気温の変化が激しい国など、日本とは異なる気候の国は多数存在します。また、豪雨や積雪による災害リスクが高い地域もあるでしょう。
気候が体に合わないと、健康面に影響がでてしまう可能性もあります。気候について調べておくと良いでしょう。
住みやすさ
住居、交通インフラ、医療体制など、生活に関わる面で住みやすい条件を選びましょう。医療については外務省「世界の医療事情」が参考になります。
物価
年金だけでゆとりのある生活をするには、現地の物価をチェックしておきましょう。ただ、物価が低い国でも日本人が暮らしやすい地域や物件を選ぶと、生活費は日本とさほど変わらないこともあるため注意が必要です。
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老後の海外移住におすすめの国6選
物価や気候の面から、老後の海外移住におすすめの国を6つ紹介します。
マレーシア
物価が安く、治安も良いマレーシアはロングステイ先で人気の国。気温は年中30℃前後と高いものの、朝夕は涼しく、極端な猛暑日は少ないため、寒暖差が少なく過ごしやすい環境です。公用語はマレー語ですが、英語も通じるためコミュニケーションもしやすいはずです。
ただ、リタイアメントビザの取得条件が2021年に変更され、経済的な条件が厳しくなっているので注意しましょう。
タイ
タイは、治安が良く日本人も多く住んでいる国です。物価が低いため、年金収入だけでも生活していけます。年中温暖な気候で過ごしやすいですが、蒸し暑い日もあるので注意しましょう。
フィリピン
日本との時差が1時間程度と少なく、フライト時間も短いフィリピンは、日本との連絡も取りやすい国です。物価が安く、英語も通じるので日本人も数多く住んでいます。年中温暖な気候ですが、蒸し暑い日もあるので注意が必要です。
「フィリピーノ・ホスピタリティ」というおもてなしの精神が根付いているため、日本人にも馴染みやすい環境といえます。
メキシコ
明るく陽気な国民性のメキシコは、フレンドリーで移住者にも歓迎的です。物価が安いので生活費を抑えつつ生活できます。気候は地域によって差があるものの、年中温かい地域もあるため、過ごしやすいのも特徴です。日本人が多い地域には日本人向けの飲食店もあるため、生活しやすいでしょう。
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ポルトガル
美しい街並みが観光名所として人気のポルトガル。ヨーロッパの中でも物価が安く、温暖な気候なため老後も過ごしやすい国です。公用語はポルトガル語ですが、英語を話せる人も多いのでコミュニケーションも難しくありません。外国人に歓迎的で、医療体制も整っているため日本人に適した環境といえます。
オーストラリア
オーストラリアは物価は高いですが、治安が良く英語が通じるので日本人も過ごしやすい国です。シドニーやメルボルンなどの大都市では多文化が共存しているため刺激のある生活が送れます。年中温暖な気候なので、体に無理なく過ごせます。
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海外就職におすすめの国と職種とは?
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