このページのまとめ
- メキシコでは日本のサブカルチャーの普及や日系企業の進出を背景に、日本語を学ぶ人が多い
- 日本語教師になるには、大学で日本語教育を専攻したり、日本語教育能力検定試験に合格するなどのルートがある
- 日本語教師の月給は1万ペソ(6万円弱)ほどで、生活はできても貯金は難しい
- 休日は学校により異なるが、長期休暇でプライベートが充実しやすい
- 生徒が成長する喜びや異文化の体験、スペイン語が身につくのが仕事のやりがい
メキシコで日本語を学ぶのはどんな人たちなのでしょうか?
今回のコラムでは、メキシコでの日本語教師の働き方や必要な資格、仕事のやりがいについて解説します。
日本語教師として海外で働きたい方、メキシコでの就職に興味がある方はぜひ目を通してみてください!
メキシコで日本語教師は需要がある?
メキシコでの日本語教育の歴史は古く、1906年(明治39年)に国内最初の日本語教育機関、アウロラ小学校が設立されたのがその始まりです。
小学校を設立したのは1897年にメキシコチアパス州に渡った榎本殖民団の参加者の一人。殖民団は「日本の発展には殖民が必要」と考えた榎本武揚が推進したもので、コーヒー栽培を目的にメキシコに渡った経緯があります。
その後メキシコでは大学に日本学科が置かれたり、1981年には現在まで続くメキシコ日本語弁論大会の第一回目が開催されたりと、日本語教育が普及していきました。
現在のメキシコでも日本語を学びたい人は一定数いるようで、その背景には日本のアニメ・漫画ブーム、日系企業のメキシコ進出が挙げられるでしょう。
「日本語ができれば就職のチャンスが広がる」と日本語を学ぶ若者は多く、第二外国語の英語に続いて、第三外国語として日本語を選択する大学生がいます。また、現在日系企業で働いているメキシコ人も、スクールに通って日本語を学ぶケースがあるようです。
メキシコで日本語教師になるには、学生とコミュニケーションをとるために多少のスペイン語が必要です。ただ、そこまで堪能なスペイン語は求められないので、スペイン語を勉強中という人でも目指すことは可能でしょう。
「海外で働きたい」「現地で働きながらスペイン語を習得したい」という方は、仕事の選択肢に日本語教師を加えてはいかがですか?
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必要な学歴や資格はある?
日本語教師は学校教員と違い、特別な免許は必要ありません。
ただ、採用時には以下の3つが基準として考えられることが多く、いずれか1つ、できれば2つ以上の条件を満たすと就職がスムーズになります。
- 大学で日本語教育を主専攻もしくは副専攻として学ぶ
- 日本語教師養成講座420時間コースを修了する
- 日本語教育能力検定試験に合格する
教師という職業の性質上、やはり大卒の学歴があると就職に有利になるようです。
2の日本語教師養成講座は、日本語の歴史や文法、コミュニケーション学などを学ぶ「理論」と、指導方法を身につける「実技」、実際に授業を行う「教育実習」という3つの内容で構成されています。多数の民間スクールが講座を開講しているので、自分に合った学校を選びましょう。
3の日本語教育能力検定試験は日本語教師に必要な知識があることを証明する資格で、年1回実施されています。試験の区分には「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語一般 」がありますが、全ての範囲にわたって出題されるとは限りません。
1、2いずれかの条件に加えて日本語教育能力検定試験に合格していると、就職の際の強いアピール材料になるので、日本語教師を目指すならぜひ受験しておきたい試験です。
また、先ほどスペイン語が堪能でなくても日本語教師として働けると解説しましたが、採用時は現地の言葉が喋れることが強みになります。余裕があるなら現地の言葉をしっかり勉強しておくのも、メキシコで就職する近道です。
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給与はどのくらい?
日本語教師の給与は日系企業で働くのとは違い、現地基準の給与であることが多くなります。
目安としては、月給は1万ペソ(6万円弱)、時給にすると100~200ペソ(585~171円)ほど※。
勤務時間や持っているクラスの数、働く先が都会か地方かによって給与額は変わってきますが、充分な貯金をするのは難しいと考えた方が良いかもしれません。
基本的にメキシコは物価が安いので月1万ぺソあれば生活できますが、病気や怪我をした際の医療費や帰国時の費用として、渡航前にいくらか準備をしておくと安心です。
メキシコでの日本語教師の仕事は決して給与が高いとはいえないので、仕事を通して得られる喜び、海外で貴重な経験ができる点をやりがいにしている人が多くなります。
給与というより、海外で働きたい、現地の人に日本語を教えたいという熱意が、仕事のモチベーションになるでしょう。
※1ペソ5.85円で計算
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休日はどのくらい?
メキシコの企業や学校は土日休みが原則ですが、日本語学校は日曜のみ休み、金曜と日曜の週2日が休みであるなど、学校ごとに休日事情が異なります。企業や学校の休日にあたる土曜のクラスは、生徒が増える分一週間で一番忙しいこともあるようです。
メキシコでは年に1回日本語弁論大会や日本語能力試験があり、その際には休日出勤することもあります。そのほか、先生たち同士で行う勉強会が休日に開かれることもあるでしょう。
常勤の日本語教師は仕事がある日は忙しく働きますが、1年に何度か長い休暇がとれます。メキシコには夏休みやクリスマスから年末年始にかけての休み、4月のセマナサンタ(復活祭、聖週間)などがあり、その時には自分の時間をたっぷり持てるでしょう。
非常勤の日本語教師には、休暇中にアルバイトをする人もいるようです。
メキシコシティは美術館や博物館、図書館、日本食スーパーなどあらゆる施設が充実しているので、勤め先が市内にあるなら、少し出かけるだけでさまざまな体験ができます。
休日の過ごし方は人それぞれですが、日帰りで行ける観光地を訪ねるなど、メキシコ暮らしを満喫しようと活動する人が多いようです。
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日本語教師のやりがいは?
日本語教師の一番のやりがいは、自分が教えた生徒の成長を実感する時。最初は全く日本語のわからなかった生徒が文法を理解し語彙を増やし、「授業が楽しい」と言ってくれるのは嬉しいものです。真剣に学習する学生をサポートするのは日本語教師の醍醐味でしょう。
学生たちとの交流も仕事のやりがいで、誕生日にお祝いをされることもあるそうです。メキシコ人はフレンドリーな学生が多いため、休みの日にはホームパーティーに招待される楽しみも。
メキシコでは5月15日を教師に感謝する「教師の日」と定めていて、この日は学校でお祝いをするところもあります。
毎日の生活や仕事の中で異文化に触れられるのも海外で働く良さ。学生とのやり取りを通して、メキシコの文化や感覚を肌で感じられます。
また、生徒の疑問に答える中で、これまで当たり前のように使っていた日本語に関しても新しい発見があるかもしれません。
学生との交流を通してスペイン語力を高められるのも、メキシコで日本語教師をするメリットの1つ。日本語を教えつつ自分も現地の文化や言葉を学べるのは、海外で日本語教師をする魅力です。
日本国内でも日本語教師として活躍することはできますが、海外ではそこでしかできない貴重な経験が積めるのではないでしょうか。
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