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旅行や出張、留学などで海外に滞在する際、「現地では、サマータイムの時期なので時間にお気をつけください」などと、見聞きしたことはないでしょうか。サマータイムは、主に欧米の諸外国で採用されている制度です。このコラムでは、サマータイムの意味や目的、メキシコのサマータイムについてご紹介します。
また、本コラムを提供するレバレジーズキャリアメキシコでは、日本人のメキシコでの就職をサポートしています。海外で働くにあたって、メキシコも視野に入れている方は、ぜひご相談ください。
サマータイムとは、日照時間が長くなる春から秋にかけてを夏時間とし、春に国の標準時を1時間早め、秋には1時間遅らせ標準時に戻すという制度です。つまり、春の切り替わる日は1日が23時間となり、秋の切り替わる日は1日が25時間となります。
サマータイムを採用することで、夏を中心とした時期に、日中の明るい時間を有効に使って行動することを促し、それによって照明のエネルギー消費量を削減することが期待できるメリットがあります。サマータイムが、アメリカなどで「daylight saving time (DST)」、つまり「日光節約時間」と呼ばれていることからも、その目的がうかがえます。
サマータイムは、北半球のアメリカ、カナダ、ヨーロッパのほとんどの国、南半球のオーストラリア、ニュージーランドなど、国連加盟国193か国のうち、約60か国が実施しています。サマータイムは、季節によって昼夜の時間が大きく変わることをもとに採用された制度なので、緯度が低く赤道に近い国、つまり一年を通じて昼夜の時間の差が少ない国にはほとんど採用されていません。 ただ、アメリカやオーストラリアでは、同じ国内でも州などによって実施していない地域と実施している地域があります。つまり、国内で移動した場合、地域によっては、時間が進んでいたり遅れていたりするということです。この現象はもちろん、日本のようにサマータイムのない国から、サマータイムのある国への移動時にも起こります。移動に要するフライト時間は同じでも、到着先がサマータイム期間であれば、サマータイムではない期間の現地到着時間より1時間先に進んでいるということになります。
メキシコでかつて導入されていたサマータイムについて解説します。
メキシコほぼ全土で、1996年から2022年まで実施されていました。
メキシコでのサマータイムは、4月の第1日曜日午前2時から10月の最終日曜日午前2時までの期間で実施されていました。ただし、アメリカとの国境沿いでは、アメリカのサマータイムの期間に合わせている自治体もありました。また、サマータイムを実施していないアメリカのアリゾナ州と隣接するソノラ州とキンタナ・ロー州では、サマータイムを実施していません。
2022年10月、メキシコ政府の「メキシコ合衆国における時間帯に関する法律(時間帯法)」の公布・施行により、2023年以降のサマータイムから廃止されることが決まりました。従って、2023年以降の4月から10月は、標準時の時間設定が継続することになります。
では、なぜサマータイムを廃止することになったのか、サマータイムのメリットとデメリットとともに解説します。
サマータイムの本来の目的通り、照明などのエネルギー削減によって、年間11億3,800万ペソ(約75億108万円、1ペソ=約6.6円)が達成できました。また、隣国のアメリカとの経済や文化の一体性が保たれていました。
メリットもある一方、健康へのデメリットが大きいことが挙げられます。メキシコの保健省によると、サマータイムの期間は、特に体内時計と社会的時刻との差が健康に害を与えると報告しています。具体的には、眠気や、いら立ち、集中力の欠如、記憶力低下、消化機能不全、日中の食欲減少と夜間の食欲増加など、多岐にわたります。また、特にサマータイムに変わった直後は、細かい時間単位で仕事をしているパイロットや教師などには、大きな負担となっているようです。
メキシコ国内では、廃止決定後もアメリカとの国境都市では労働時間や文化を考慮し、以下の地域では、サマータイムが継続されることになりました。
近年ではメキシコのみならず、各国でサマータイム実施による健康面でのデメリットが指摘されています。健康への影響のほか、交通事故の増加、自殺の増加などの報告も見受けられます。2023年現在では、EU諸国でも廃止の声が高まっていたり、アメリカでは一年中をサマータイムで統一することも検討されていたりします。サマータイムの廃止や再開は、これまでのサマータイム制度の歴史を紐解いても、決して珍しいことではありません。今後も、メキシコをはじめ、渡航先のサマータイム制度について注視していきましょう。
メキシコでは、2022年まで、春から秋の間は時間を1時間進めて日光を使うことで電気を節約しようという目的から「サマータイム」が実施されていましたが、健康面のデメリットなどにより、2023年から廃止することが決定しました。メキシコ国内には継続している州や地域もあるので、日本からの渡航、メキシコ国内での移動の際には、十分注意しましょう。
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