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このページのまとめ

  • 海外転出の届出を出す(=住民票を抜く)と、健康保険は脱退、国民年金は任意継続になる
  • 海外移住が1年以上なら原則住民票を抜く
  • 国民健康保険を使いたい場合などには、住民票を抜かないのも手

海外移住をしたい方に向け、このコラムでは海外移住の際の健康保険や年金の扱いについて解説します。自治体に海外転出の届出を出す(=住民票を抜く)かどうかで、健康保険や年金の扱いは変わるため、コラムを読んで自分に合った選択ができるようになっておきましょう。

また、本コラムを提供するレバレジーズキャリアメキシコでは、日本人のメキシコでの就職をサポートしています。海外で働くにあたって、メキシコも視野に入れている方は、ぜひご相談ください。

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海外移住の際の住民票の扱い

住民票と印鑑の画像

海外移住の際、健康保険・年金の扱いは住民票を抜くかどうかに紐付けられています。まずは住民票の扱いについてチェックしてみましょう。

海外移住が1年以上なら住民票を抜く

1年以上海外で生活するなら、基本的には住民票を抜きます。海外転出届を市町村に提出しましょう。届出は、原則14日前からですが、1ヶ月前から受け付けている自治体もあります。

転出届を出すと住民票は除票扱いになります。また、転出日を過ぎると日本の非居住者となるため、行政サービスが受けられなくなるので注意が必要です。

国民健康保険は使えなくなる

住民票を抜くと、国民健康保険に加入できなくなります。保険料の支払い義務はなくなるものの、一時帰国の際などに病院にかかると全額自己負担になってしまうので注意しましょう。

国民年金は任意継続になる

また、住民票を抜くと国民年金の納付義務はなくなります。ただ、将来的な年金受給額を減らしたくない場合、国民年金を任意継続することもできます。

住民税は課税される?

1月1日に住民登録があると住民税が課税されます。節税するなら12月中に転出すると良いでしょう。

介護保険は受けられなくなる

日本で生活していないと、自治体の介護サービスは受けられません。海外移住の際は、介護保険は自動的に脱退します。

住民票を残しておくのも手

1年以上海外移住するなら原則住民票を抜く必要がありますが、抜かなくても罰則はありません。そのため、あえて住民票を残しておく人もいます。年金や健康保険の扱いを知ったうえで、住民票を抜くかどうか選択すると良いでしょう。

なお、所得税や住民税は、前年度国内所得に応じて課税されるので、Web収入や年金収入などを含む国内収入が全くない場合、税金は発生しません。

海外移住が1年未満なら住民票を抜く必要はない

海外渡航が1年未満なら住民票を抜く必要はありません。日本に住所を残したままの渡航となります。健康保険料や年金を支払う必要があるものの、健康保険や行政サービスを継続して利用できます。

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海外移住の際の健康保険の扱い

飛行機の模型と聴診器の画像

日本では、病院にかかる際の医療費負担を減らすために、国民全員が何らかの公的医療保険に加入する、国民皆保険制度を採用しています。

代表的な公的医療保険は、自営業者などが加入する「国民健康保険」と、会社員が加入する「社会健康保険」の2つ。それぞれについて、海外移住の際の扱いを確認してみましょう。

国民健康保険の扱い

海外移住の際に住民票を抜くと、日本の国民健康保険からは脱退します。国民健康保険を脱退するかわりに、長期滞在者用の海外旅行保険や、現地の医療保険を活用し、現地で診療を受けられるようにしておくと良いでしょう。

ただ、年齢などの関係で現地の医療保険に入れない可能性もあります。そういった場合は、住民票を残しておくのも一案です。また、移住先の医療レベルに不安がある際に、日本で診療を受けやすくするために住民票を残しておく選択肢もあります。

移住先の医療費や医療レベルなどを確認しておくと良いでしょう。

短期渡航の場合、医療費の一部還付がある

健康保険には、海外療養費という制度があります。海外で診療を受けた際にかかった医療費を、一部日本で払い戻してもらえる制度です。日本の医療費をもとに、還付が受けられます。国民健康保険の場合は、帰国後に市町村窓口で申請する必要があります。

ただ、海外療養費は、短期渡航を想定した制度です。海外に長期間滞在する場合、補填が受けられるとは限らないので注意しましょう。

社会健康保険の扱い

会社員として働いており社会健康保険に加入している人が海外赴任をする場合、雇用主によって社会健康保険が継続するかどうか変わります。

日本の企業に雇用され続ける場合

日本の企業に雇用されたまま海外支社に赴任する場合、社会健康保険や雇用保険など、各種社会保険が継続します。社会健康保険の保険料は、会社が半額を負担します。

現地企業に転属する場合

現地の企業に転属する移籍出向の場合は、現地の健康保険に加入するのが一般的です。ただ、健康保険制度が整備されていない国では、会社負担で民間保険に入ることもあります。

民間の生命保険

民間の生命保険は、基本的に海外移住をしても保険料を支払い続けることで継続できます。海外に移住する旨を保険会社に前もって相談しておきましょう。
また、多くの生命保険会社は「海外渡航のてびき」を作成しています。移住前に保険の取り扱いを確認しておくと良いでしょう。なお、海外に送金を行っている保険会社は少なく、代理人手続きを行うことが多いです。
民間保険は契約時の年齢が高いほど保険料も上がります。海外移住の際に民間保険を継続するかどうかよく検討しましょう。

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海外移住の際の国民年金の扱い

パスポートと年金手帳の画像

海外移住の際に住民票を抜くと、年金の納付義務はなくなります。

国民年金には任意継続できる

住民票を抜いて年金の納付をやめると、支払額が減るぶんだけ、将来的な老齢基礎年金の受給額も減ってしまいます。また、障害を負った際は障害年金の額も減ります。

健康保険とは異なり、国民年金は任意継続が可能です。年金受給額を減らしたくない場合は任意継続すると良いでしょう。年金事務所や市町村の窓口で手続きできます。

基本的に、年金を受け取るには、10年以上の納付期間が必要です。ただ、国民年金を任意継続しない場合も、海外転出届を提出していれば「合算対象期間」になるため、年金の受給資格期間に含まれます。

参照元
日本年金機構「必要な資格期間が25年から10年に短縮されました

海外赴任の場合、年金の支払いが二重になってしまうことも

日本の企業に所属したまま海外赴任をする場合、厚生年金が継続します。そのため、赴任先が社会保障の加入義務がある国だと、厚生年金と併せて二重の支払いになってしまう可能性もあります。

年金の二重支払いを防ぐため、日本はいくつかの国と社会保障協定を締結しています。協定を結んでいる国と日本の、どちらかで年金を支払っていれば、もう片方の国の支払いが免除される仕組みです。どちらの国で支払いをするかは、国によって異なります。日本が社会保障協定を締結しているのは、アメリカやドイツ、中国など約20ヶ国です。

参照元
日本年金機構「社会保障協定

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