このページのまとめ
- 女性が就ける国際的な仕事は国内外にたくさんあり、性別や文系・理系など問わずチャンスがあります。
- 女性が国際的な仕事に就くには、海外進出している日系企業や外資系企業、NGOでの勤務をはじめ、専門的な仕事で国際的に活躍する方法があります。
- 国際的な仕事をする上で必要な能力は、英語を中心とした語学力、「女性の活躍が見込めるかどうか」や海外の文化や現状を知るための情報力、異文化に対応できる適応能力です。
女性の社会進出にともなって、女性が国際的な仕事に就くチャンスも増えてきました。しかしながら、日本の大企業が海外展開する場合、海外赴任の辞令を受けるのは、やはり男性が多いというのが実情です。では、女性が国際的に仕事をするチャンスを増やすには、どんな仕事に就けばいいのでしょうか。このコラムでは、女性が国際的な仕事をするチャンスが多い職業や業種を紹介します。さらに、その職業・業種の特徴と必須スキルについても見ていきましょう。
「国際的な仕事」とは?女性でも文系でも可能?
まずはどんな仕事を「国際的な仕事」というのか、国際的な仕事に就くには性別や年齢などは関係するのかについて紹介します。
「国際的な仕事」とはどんな仕事
国際的な仕事は、「外国と関わる仕事」とも言い換えられます。もちろん海外に赴任したり、長期滞在したりする仕事はわかり易く「国際的な仕事」ですが、外国と関わる仕事であれば、日本国内で従事する仕事でも「国際的な仕事」と言えます。単に「海外で働く」ということだけでなく、仕事を通じて国際的な貢献や関係の一端を担う職種が国際的な仕事というわけです。例えば、日本国内から海外拠点のサポートを行う部署で働くことも国際的な仕事ですし、空港で働いたり、国内で外国人にツアーガイドをしたりする仕事もそのひとつです。もちろん、「国際的な仕事」=「海外での仕事」に限定している人にとっては、より海外への憧れや自分の力を異文化の中で試したいという気持ちが強いでしょう。
国際的な仕事は性別や理系・文系問わない
ひと言に「国際的な仕事」と言っても、その職種や業種、専門分野は、とても広範囲でバリエーションに富んでいます。それらの多くは、知識やスキル、経験があれば、チャンスは男女平等にあると言っていいでしょう。ただし、企業に入って海外赴任を希望する場合、そもそもその企業自体に男女平等の風土が根付いていなかったり、海外赴任に女性社員の前例がなかったり、といった企業はこの通りでありません。就職前に女性にもチャンスがあるのか、モデルケースはあるのかをよく調べておきしょう。
また、理系か文系かについても、それぞれ道は開かれています。文系なら事務がメインですし、理系ならハード・ソフト問わずエンジニアが多いでしょう。ただ、すでに海外進出しているグローバル企業であっても、専門分野や部署によって海外赴任のチャンスの有無は異なります。国際的な仕事に就くことが目標であれば、そのあたりも就職前にしっかり調べておきましょう。
女性が国際的な仕事に就ける職種や業種
「国際的な仕事」に就いている女性は、どんな職業や業種なのでしょうか。ここで紹介する職種や業種は、能力や適性があればジェンダーレスにチャンスが広がる職種や業種ですが、すでに多くの女性が就いていたり、仕事の特性上女性に向いていたりする仕事です。ぜひ女性の方は参考にしてみてください。
海外進出している日本の企業で働く
国際的な仕事に就きたいと考えたとき、「すでに海外進出している企業に就職」し、「グローバルな事業を行う部署に所属する」ことが近道だと考える女性も多いと思います。
特に、新卒の就職希望者や、一般的な事務などで経験を積んだ転職希望者は、多くがこのパターンをイメージするのではないでしょうか。ただ、先にも話したとおり国際的な仕事は国内でも従事できます。自身の希望が明確に「海外で働く」ことであれば、以下の業種であっても就職の際に海外赴任の可能性などを調べておきましょう。中には、女性には危険であるという配慮から、肉体的にハードな仕事や、著しく治安の悪い国への赴任は男性に限っている場合もあります。
製造業
日系企業において女性が海外赴任する機会は、海外拠点の管理やマネジメント部門、営業、製造管理など事務職が多いでしょう。製造業のエンジニアやマネージャーなどはまだまだ男性が多いですが、技術職に就く理系女性の増加にともない、今後は女性が活躍する事例が増えてくるでしょう。また、海外進出しているメーカーの中でも、企業全体で女性の割合が大きい化粧品会社などは、当然国際的な仕事を担う女性の数も多くなります。就職活動段階で「海外進出している」「女性が多い」企業にフォーカスするのもいいでしょう。
商社
商社は、いわば企業そのものが「国際的な仕事」です。国内の人事や総務などの管理部署以外はおおむね外国と関わりがあり、国内の社内では英語はもちろん様々な言語が日常的に飛び交っている環境です。入社前から英語資格を持っていて国内で研修を受けたあとは、すぐに海外出張を命ぜられることもある業界です。総合商社はTOEIC高得点の社員が多く、英語は出来て当たり前、取引先の国によってはその他の言語も習得していかなければなりません。女性でも海外駐在の希望を伝えていれば可能性は大いにあります。また、海外駐在の社員をたくさんかかえる企業なので、駐在手当や現地での生活についても手厚いサポートが揃っています。
外資系企業で働く
外資系企業の日本支社で働くことも国際的な仕事と言えます。外資系企業への就職希望者は、単に国際的な仕事をしたいというだけでなく、外資系ならではの「実力主義」「高収入」「男女の格差がない」「結婚・子育ての理解」などのメリットを求めて就職する場合が多いです。また、社内では役員や上司が本国から来た外国人の場合もありますし、同僚も日本以外の国籍の人であることも多いでしょう。社内の外国人はある程度日本語が話せることがほとんどですが、円滑なコミュニケーションの一つとして最低限英語は習得しておく必要があります。外資系企業への就職は、海外で働く近道ではありませんが、グローバルな視点を広げ、国際的な社内の雰囲気や文化を日々感じられる職場と言えるでしょう。
旅行・サービス・航空業界
国際的な仕事の中でも女性が多く就いているのが、トラベル系、航空・空港系の仕事です。旅行系には、ツアーコンダクターやツアーガイド、海外旅行客の多いホテルのコンシェルジュなど、すでに女性も多く就いている職業が含まれます。これらの職業に就くには、旅行代理店やホテル業界への就職が近道でしょう。ただ、通訳を兼ねたツアーガイドなどは企業に所属せずフリーランスでも活躍できる職業です。語学の資格以外では旅行業務取扱管理者や旅行地理検定、歴史能力検定などの取得もお勧めです。航空・空港系の仕事では、男性より女性が就くことの多いイメージのキャビンアテンダントやグランドスタッフなどが挙げられます。どちらも専門学校や短大卒以上で航空会社や航空会社の傘下である旅客ハンドリング会社に就職することが必須です。もちろん一定の英語力は必要となります。
専門職
専門的なスキルを持って海外で活躍する人も国際的な仕事と言えます。専門分野を活かして企業に所属し、海外に派遣されるケースもあれば、経験を積んだあとフリーランスで活躍するケースもあるでしょう。専門の分野は幅広く、語学系であれば通訳や翻訳、日本語教師、技術系ならITエンジニアなど、飲食系なら寿司職人や日本食の調理師、音楽やアート・カルチャー系のアーティストとこれ以外にもあらゆる専門職があります。世界に出ても認められる専門性を高めるだけでなく、日常会話レベルの基礎的な語学と専門分野で使う言葉や言い回しを習得しておくと即戦力になります。
政府系・NGO
外交官は、高度な教養と語学が求められますが、とても国際的な仕事です。外交官になるには、国家公務員採用総合試験をパスし、官庁訪問を経て外務省に採用されるルートか、外務省が独自に行っている外務省専門職員採用試験に合格し採用されるルートのどちらかになります。どちらも高倍率で超難関なので、かなり早い時期から対策が必要です。
また「JICA」や「青年海外協力隊」、「国境なき医師団」といった国際貢献できる団体に所属する仕事もあります。貧困に苦しむ国や被災地など、国際協力が必要な国でボランティアとして働く仕事です。その中でも専門性を活かした、医師、看護師、教師、農業や土木の専門家など多くのジャンルに需要があります。女性の支援に特化したNGO「JOYCEP(ジョイセフ)」などもあり、女性の力を必要としている団体も多くあります。
「学んでから」「経験してから」就職する
将来は国際的な仕事をしたいけれど、まだ希望する職業が見つからないという人もいるでしょう。経済的に余裕があれば、留学して語学や専門分野の勉強をしてから、国際的な仕事に就職する方法もあります。また、ワーキングホリデーを利用して実際に海外で働いてみてから、現地の雰囲気や生活が合っているかを見極めるのも良いでしょう。ただ、ワーキングホリデーは主に専門スキルが要求されないカフェのウェイターやショップスタッフなどの職が多いので、オフィスワークや専門職を希望する場合は、ワーキングホリデー終了後に帰国して語学や専門スキルを磨く必要があります。
国際的な仕事に就くために必要なこと
国際的な仕事に就きたいと考えている女性が、夢に近づけるため出来る限り手にしたいスキルや感覚を紹介します。
語学
国際的な仕事に欠かせないスキルが語学です。特に英語は、英語を母国語としていない国でも通じることが多いのでぜひ身につけたい言語です。そこで、国際的な仕事に就くときに必要となるTOEICスコアの目安を簡単に紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
- TOEIC 600点未満
日常会話レベル。カフェやレストラン、空港グランドスタッフ、エンジニアなど - TOEIC 600点以上
外資系企業、キャビンアテンダント、ホテルスタッフなど - TOEIC 700点以上
商社勤務、現地営業、日本語教師、政府系NGOなど - TOEIC 800点以上
英会話スクール講師、通訳ガイド、大使館の事務員など - TOEIC 800点以上
通訳、翻訳、外交官、国連関連など
情報収集力
昨今、様々な職業がジェンダーレスに道が開かれていると言っても、現状女性の海外進出の例が少ない業界もあります。業界や企業によって異なる「女性の海外進出の現状」を就活やネットなどで情報収集することが大切です。また、海外で仕事をしたい場合は、渡航先の現地情報の収集もしっかり行いましょう。気候や価値観、文化、宗教など、知っていれば困らない情報はたくさんあります。ぜひ常に情報を得る習慣を付けましょう。
適応能力
国内での国際的な仕事は、職業として海外と関わるだけですが、海外で暮らして現地で仕事をすることを希望する場合は、いわゆる「水が合う」かどうかが肝になります。生活習慣や食事や文化、国民性などに順応できないと日々のストレスになっていきます。ホームシックから孤独感を感じたり、順応できないことで疎外感を感じることもあります。現地では積極的にコミュニティに参加し、コミュニケーション能力や国際感覚を磨きましょう。
まとめ
国際的な仕事の職種や業種は、国内外の仕事で数多くあり、女性でも十分にチャンスがあります。特に海外進出している企業に入社し、語学やスキル、適正が認められれば海外駐在の道が開かれています。ただ、職種の特性や入社した企業の風土、男女の機会の平等性については、就職活動の段階で人事に問い合わせてみることが大切です。この他にも、専門的なスキルを活かした仕事や旅行関連、NGOなど、国際的な仕事は多くあります。ぜひ、語学や専門スキルを磨き、しっかり情報収集して夢を叶えてください。
メキシコの就職、生活事情に詳しい
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