このページのまとめ
- グローバル企業とは、設立国つまりベースとなる国以外の複数の国に拠点を持ち、各国でビジネスを展開する企業
- 日本のグローバル企業の業種は製造業がもっとも多い
- 日本のグローバル企業の海外拠点の数第1位の国は中国
- グローバル企業に勤めるメリットは「経験」、必要なスキルは語学と適応能力、主体性
日本の企業の中でも、成長し続ける企業の多くが海外に進出しています。それらの企業はグローバルに市場を拡大するだけでなく、企業としての価値を高め、就職希望者の増加にも一役買っています。このコラムでは、「グローバル企業」とはどんな企業を指すのか、実際日本の代表的なグローバル企業にはどんな企業が名を連ねているのか、グローバル企業に就職するにはどんなスキルが有効なのかを紹介してきます。
また、本コラムを提供するレバレジーズキャリアメキシコでは、日本人のメキシコでの就職をサポートしています。海外で働くにあたって、メキシコも視野に入れている方は、ぜひご相談ください。
グローバル企業とは?
まずは、「グローバル企業」とはどんな企業なのか、「多国籍企業」とどう違うのかについて紹介します。
グローバル企業の定義
「グローバル企業」とは、設立国つまりベースとなる国以外の複数の国に拠点を持ち、各国でビジネスを展開する企業を指します。基本的には、各国の拠点でも本拠となる本国と同じ商品やサービスを提供しています。また、企業としてのビジネス方針や機能においても本国が行い、国が異なっても統一されています。
多国籍企業とどう違う?
多国籍企業では各国の支社や子会社がマーケティングし、その国のニーズに合わせて製品やサービス、販売方法、管理の仕方などを変えて展開している企業です。つまり、多国籍企業は各国で現地法人化し、人事や財務、営業から、企業によっては製造や商品開発にいたる機能まで持っています。
世の中の流れは多国籍企業よりグローバル企業
多国籍企業が推進する現地法人は、本社と一本化するより経営の自由度が高く、進出した国によっては本社とは別の戦略を推進する場合もあります。各国で各種機能を持つことで、低コストかつ各国のニーズへの対応レベルも大きく向上します。しかし、現在では、比重が大きかった距離的コストがかつてより安くなったことやITの発展により、海外に向けて多くの製品やサービスを価格と品質が最適な地域から提供できるようになりました。つまり本社で一本化する場合のマイナス要素が解消されてきたといえます。それにより、世の中の潮流は、「多国籍企業よりグローバル企業」になってきているのです。
日本のグローバル企業
海外旅行で大きな都市に行くと日本のメーカーの広告を見たり、世界の多くの都市で日本の製品を手にしているシーンに遭遇したりします。これは日本のグローバル企業が海外で成功している結果とも言えます。その中でもどんな業種が多いのか、どんな企業が名を連ねているのか、また進出先として多い国はどこなのかを解説していきます。
日本のグローバル企業はどんな業種が多い?
日本のグローバル企業として、最も多い業種は製造業と言えるでしょう。中でも自動車製造業は、ほとんどの企業がグローバル企業です。その他にも、電機、精密機器といった製造業が海外でビジネス展開しています。これは、人口が減少している日本国内だけでは販路を拡大できないため、マーケットを広げるためと言っていいでしょう。また、業種以外の特徴として、歴史のある老舗企業が多いことも挙げられます。つまり、グローバル展開の成功には、信頼と実績が大きいことも重要なファクターとなっているのです。
日本の主なグローバル企業
以下は、売上においてもブランドイメージにおいても、常に上位にランクインするグローバル企業です。
- トヨタ自動車
- 本田技研工業
- 日産自動車
- 日立製作所
- ソニー
- パナソニック
- キヤノン
- NTTドコモ
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- 任天堂
- ファーストリテイリング
自動車、電機、精密機器だけでなく、世界中に認知されているゲームやアパレルなどのメーカーもグローバル企業として有名です。この他にも、製造業では資生堂などの化粧品、サントリーなどの飲料や食品といった国内では知らない人のいないメーカーも海外で展開しています。製造業以外では、通信や金融、不動産、セキュリティなど、グローバル企業の業種は多岐にわたります。これはつまり、現在世界の人々の多くが、日本の製品やサービスを何かしら使ったり認知したりしていることに他ならないのです
日本企業がグローバル進出している国
日本のグローバル企業が最も多く進出しているエリアはアジアです。さらに北米、西ヨーロッパと続き、中米、南米、東ヨーロッパ、中東、アフリカと、世界を網羅しています。
拠点の数を国別で調べると、1位は2位を大きく引き離して31047拠点の中国、2位は8847拠点でアメリカ、3位は5856拠点のタイ、4位は4790拠点のインド、5位は2306拠点のベトナム、6位以降は、インドネシア、ドイツ、フィリピン、台湾、メキシコと続きます。この世界中に広がる企業の拠点の多さからも、日本が世界有数のグローバル企業保持国であることがわかるでしょう。
参考:海外在留邦人数調査統計 3.3 地域別日系企業(拠点)数推移
外務省 海外進出日系企業拠点数調査
グローバル企業への就職
ここからは、「グローバル企業で働く」ことに焦点を当てて、メリットやデメリット、必要なスキルまでを解説していきます。
グローバル企業で働くメリット
グローバルな環境・視点で労働できるということが何より一番のメリットと言えます。異文化の環境に身を置いて働くことは、語学が活かせるだけでなく、国際的な視野を広げられます。自身の成長やキャリアに繋がり、唯一無二の経験を得ることができます。また、グローバル企業の給与水準は国内の平均所得より高く、さらに海外赴任となると、赴任手当や住宅手当など、会社から手厚いサポートが受けられます。
グローバル企業で働くデメリット
グローバル企業のメリットは、裏を返せばデメリットと受け止める人もいるでしょう。グローバル企業には勤めたいけれど海外赴任はせず日本で勤務したい、あるいは行きたい国が限定されているという人にとってはデメリットと感じることもあるかもしれません。海外赴任の辞令前に、希望を聞き入れてくれる企業であれば良いのですが、意志や語学習得の有無に関わらず辞令を出す企業もゼロではありません。語学が苦手な人、異国の人とのコミュニケーションやカルチャーの違いがストレスになってしまう人にとっては負担になることもあるでしょう。また、そもそもグローバル企業に入社したからと言って、海外赴任できるとは限らない点も理解しておきましょう。
グローバル企業で必要とされる能力
グローバル企業に勤めることが決まったら、海外赴任を視野に入れて自身のスキルを磨いておくことが重要です。企業によっては試験や適性検査が行われる場合もあるので、海外赴任を希望している、あるいは海外赴任の可能性があるセクションに所属している人は、予め以下のスキルを習得したりチェックしたりしておくことが大切です。
語学力
海外で勤務する場合は、コミュニケーション手段として語学力は必須です。とりわけ英語の習得は社会人になっても続けておきましょう。会社からの条件として、資格の有無やTOEICなどのスコアの条件が示されていることが多いです。希望者はしっかり準備しておきましょう。また、上記の「日本企業がグローバル進出している国」で紹介した通り、中国に進出している企業の数は桁違いです。ぜひ、中国語も簡単なビジネス会話程度は習得しておくと良いでしょう。
コミュニケーション能力
語学はあくまでコミュニケーションの手段です。国籍・文化・環境・宗教などが異なる人と積極的にコミュニケーションを取る能力は、グローバル企業に勤める人にはなくてはならないものです。国内で仕事をする場合には説明の要らないことでも、文化や仕事のやり方が違えば必要になることもあります。普段から、この国ではどうなのか、この人にはどうだろう?といった視点を大事にしてコミュニケーションを取りましょう。
適応能力
コミュニケーション能力と似ていますが、「適応能力」は仕事の対人だけでなく、文化や暮らし、習慣・気候などに慣れなければなりません。つまり、文化の違う人に慣れるだけでなく、自身がその文化や習慣を受け入れて実行しなければならないシーンもあります。ビジネスシーンでのやり方や考え方だけでなく、暮らしのシーンでの常識や価値観にも順応できるよう、柔軟で大らかな気持ちを持ちましょう。
主体性
グローバル企業の海外拠点では、古い日本の企業のような「空気や状況で言わずとも察する」といった習慣はありません。特に欧米では、はっきり主張しないと意見が通らなかったり、熱意が伝わらなかったりします。日本人の謙虚さゆえの態度であっても、最悪なケースでは「仕事に対してやる気のない人」「積極性や主体性がない人」と判断されてしまうこともあります。普段から自分の意見を伝える習慣をつけておきましょう。そのうえで、相手の意見にも耳を傾け、意見をまとめていく力を付けると良いでしょう。
まとめ
「グローバル企業」とは、設立国以外の複数の国に拠点を持ち、本社主導の管理やビジネススタイルで、世界中どの国でも統一された製品やサービスを展開する企業のことです。日本のグローバル企業には、自動車や電機メーカーなど多くの製造業企業が名を連ねています。また、現在、日本のグローバル企業の海外拠点が最も多い国は中国です。グローバル企業に勤めるに当たっては、語学力、コミュニケーション能力、適応能力、主体性が備わっていることが理想です。
メキシコの就職、生活事情に詳しい
アドバイザーがあなたをサポートします
海外経験がない方も全面バックアップ!